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山越えの子安の里







山越えの子安の里(2013-01-10、24歩く)
子安の里は、葉山町と横須賀市の境界の峯山と大楠山系の山並みに囲まれている小さな山里である。 この度、春の兆しを求めて、葉山の水源地から山越えで子安の里に入り、水仙香る子安の里を散策した後、さらに山越えの古道を経て秋谷、立石海岸に 下った。

水源地から子安の里
JR逗子駅から衣笠行きのバスに乗り、水源地入口で降り、右手交差点の南方向の道に入ってゆく。 広い車道を道なりに下って行って、水源地橋を渡り少し上り返すと、古いコンクリートの水道施設が左手に見える。昔の御用邸の水道施設とのことである。 更に少し上がってゆくと、道は二又に分かれている。ここは左に登ってゆく。右に畑が広がり、左手は竹林から梅林となる。右に緩やかに カーブしながら上ると、里山が迫って来て、丸太で支えられた苔むした梅の巨木が現れる。この辺は梅の咲くころは里山の見事な風景が展開するのではなかろうか。

ここが、山越えの入口である。道は変則十字路になっているところをまっすぐ山に向かう。すぐ突き当って舗装道路は終わり 左の山沿の山道を左下に梅林を見ながら行く。アオキなど照葉樹の茂る山道をピークの左を巻きながらしばらく行くと、Y字分岐となる。 すっかり消えて読めないプレートがぶら下がっていて、どちらに行くか迷うところである。一回目は、左に行ってしまったが、正しくは右で、ゆるやかに登 りながら右にカーブして尾根に乗る。

しばらく展望も効かない照葉樹の山道を行くと、正面にピークが見えてくる。 道はピークに直登するのかなと思ったところ、右下に窪地を見ながらピークの右を巻いて、また尾根にのる。そして、竹林を通過して、 そろそろ子安への降り口がある地点かと気を付けてゆくと、大木に先ほどの分岐と同じように字の消えたプレートがぶら下がっている。 ここが子安への分岐なのか、地形図とGPS・NV-U37を出して確認してみると、地形図の分岐はまだ先である。

山道は地形図と違っていることが 結構あるので、ここが子安への分岐ではないかと思ったが、念のために先に行ってみる。2,3分行くと、林道の終点に踊りでて、右からも林道が 登ってきている。左に降りる道がないかと探したが見当たらない。先ほどのプレートのまぶら下がっているところが子安分岐のようである。折角なので、 林道を横須賀市水道局の施設まで行って引き返した。途中展望の良いところや水仙の咲き乱れる斜面もあった。

分岐に戻って右に入ってゆく。思ったよりよく踏まれていて、迷うことはない。竹林に桜の大木が立つ不思議な光景を見たりしながら、 五分も下ると、農道の終点にでる。右斜面には畑があり、畑の端には水仙が咲き、畑の持ち主の優しさがしのばれる。広い農道をしばらく行くと 舗装道路に突き当る。ここは左に行く。初めての民家、土建屋さんの前を下ってゆくと、また車道に突き当る。ここは右に下る。 周りは開け、水仙がポツリポツリ咲く畑や原野の車道をのんびりと下ってゆく。

子安の里
やがて左から川が近づき、また、車道に突き当る。 左の仲地梨橋を渡って登ってゆく。下り一方だったので久しぶりの登り、息が切れそうだ。お稲荷さんが見えてくると勾配も緩み大きく開け、 左には水仙の咲き乱れる斜面が展開し、右には下の子安の里の上に高い尾根が迫っている。もう昼であるので、予定している左に登る道は見送って、広いバス道路の傍の 梅林まで行って、昼食とする。昼食の後、戻って一本手前の道を右に登ってみた。行き止まりであったが、思いがけず水仙の咲き乱れる斜面を発見、得した気分になる。

それから正規ルートに戻って、左下に水仙を見ながら右に登ってゆく。右手のピークに登るのかなと思ったら、鬱蒼とした照葉樹の道を 通ってピークの裏側にでる。Y字分岐の角には小菅家長屋門があり、下に添付のマップでは右に下るが、できるだけ 広範囲に散策しようと、左に進む。登りきると、左前方に広大な畑が広がり、その先の遠い山際の斜面には水仙が咲き乱れている。 足元の道の両側も水仙の花、花、花である。それにしても、水仙が多い。規模は小さいが房総の保田地区のようである。よくぞこんな都会の近くなのに残っていてくれたと思う。 子安の里は隠れ水仙の里でもあるようだ。

この後、マップに従い、モチの木、消防署のあるバス道路を横断し、出し田橋を渡り、西光院、関渡川遊歩道沿いの農道をへて 子安観音石仏群を目指す。関渡川遊歩道沿いの農道は水仙、ツバキの花が咲き、ミカンの黄色が青空に映え美しい。梅も結構あるが今年は寒く開花が遅れ、一か所紅梅がほころびだした程度であった。 舗装の農道は左にカーブしながら登りきると、左に直角に曲がる。この角の、左側先に子安観音石仏群があり、右側に入るダート道が秋谷・立石へ越える古道入口である。道標もなく、マップを信じて右に入ってゆく。

古道、子安道
かっては秋谷と子安を結ぶ主要道路で、また秋谷から東京湾へ通じる道でもあった、とのことである。鬱蒼とした照葉樹の山道を行く。荒れてはいるが、随分歩かれたのであろう深く掘れていて、 道筋ははっきりし不安になることはない。そのうち山道は、ピークの右を巻くように左カーブし、右下に谷を見ながら、明るい照葉樹の森を進んで行く。照葉樹や山桜の大木が結構多い歴史を感じさせる山道をしばらく行くと、山道は登りから下りとなる。 やがて、左に石仏を見て、山桜と照葉樹の巨木を過ぎると、徐々に急降下し、思いがけず水仙の咲く斜面にでる。ここまで来ると、すぐ民家の屋根が見えてきて、住宅地のはずれの急勾配のコンクリート道に降り立つ。 5分も住宅地を道なりに下ると秋谷海岸入口に至る。バス停もあるので、すぐバスに乗ってもいいが、折角なので、隣の景勝地の立石海岸まで歩き、写真を写してハイキングを終えた。


(地図・ガイド)
「葉山を歩こう」(峯山コースを参照ください)
地形図ルートログ (カシミール3Dにて作成)

(特記事項)
・本記事は1/24歩いた時のものです。1/10は服部家長屋門・ビューポイント・庚申塔・子安観音石仏・古道
 と歩きましたが、ビューポイントあたりも水仙が咲いていました(上の写真)
・山道の道標は一つもありませんので、地図たよりです。

(コースタイム)
水源地入口9;33---梅の巨木(山道入口)9;53---Y分岐10;09---子安分岐10;30〜34--横須賀市水道施設10;54 ---子安分岐11;09---農道終点11;14---仲地梨橋11;38---関戸橋付近の梅林(昼食と水仙畑散策)11;48〜12;09---小菅家長屋門12;19--- モチの木12;31---西光寺12;43---古道入口13;03---石仏13;25---水仙の斜面13;39---秋谷13;46---立石海岸14;05



子安の里の水仙





立石海岸





Y分岐





子安分岐(Y分岐から来て)





古道入口(関渡川遊歩道側から上がって来て)


SONY Cyber-shot DSC-RX100 にて撮影





2/11に写す、水仙満開。 EOS60D / TAMRON 18-270mm