A.山歩き/2.山紀行/・・金毘羅尾根から大山・北尾根


金毘羅尾根から大山
金毘羅尾根・大山・北尾根


金毘羅尾根の明るく美しい自然林


地獄沢橋を基点に金毘羅尾根・大山・北尾根と歩く ('07-02-21)
今年の暖冬には驚きである。寒だというのに3月、4月の陽気が続く。さらに関東地方は初雪が降る前に春一番が吹いてしまった。前日(2/20)冷たい雨が降っていた。 山は雪だろうか。山中湖のライブカメラで見てみる。積もったら山中湖方面の山に写真でも写しに行こうかと 思ったが、予想に反して雪は積もっていない。それならば今まで気になり登っていない丹沢大山の金毘羅尾根コースを登ってみょうと急遽変更して出かける。 どういうルートをとり車まで戻るか、車はどこに置くか、いつも悩むが、以前、金毘羅尾根の隣の地獄沢尾根を登っているので、その時と同じように地獄沢橋付近に車を置いて、諸戸、 金毘羅尾根、大山、北尾根、16号鉄塔、地獄沢橋、というルートで周回してみることにする。

蓑毛からヤビツ峠を越えて宮ケ瀬方面へ清川秦野県道を上ってゆく。昨日の雨はすっかり上がり、菜の花台からは富士山がクッキリと見える。 ヤビツ峠を越えると霧が立ちこめ、林道沿いの鈴なりのギブシの房や林立する杉・桧、ミツマタが幻想的なたたずまいをみせている。
地獄沢橋の手前の道の広くなっている路肩に車を置いて、諸戸の方に県道を戻る。 普段は変哲もない風景であるが霧が立ちこめいい雰囲気である。カメラを出して写しながら行く。約30分ほど歩くと、諸戸に着く。 造林事務所の間の先に鳥居が見える。そこをくぐって沢沿いに5分も行くと右に手製の「大山登り口」という小さい道標がたっている。 それに従って薄暗い右の枝尾根の杉の植林帯を上って行く。やがて山道は左隣りの尾根にトラバースして移り、さらに上に登って行く。 諸戸から約30分ほど登るとメインの尾根に左から斜めに乗る。
そこは三叉路になっていて、木には赤とブルーのテープが巻き付けてあった。 尾根に立って振り返ると、尾根を真っ直ぐ下っている山道もある。下りのとき間違ないように山道には枯れ枝が通行止めのように置かれている。 さらに5分も行くと送電線鉄塔巡視路表示の黄色いポールが立っていて巡視路が右に下っている。これを見送り、尾根道を真っ直ぐ行く。
ここからは 尾根一筋、一本道である。随分昔からあった造林作業用の山道のようで道は明瞭である。三叉路から10分ほど緩やかに登ると自然林が多くなり、左側後方には 丹沢の山々が見える。そして山道の行く先は薄っすらと雪で覆われている。昨日の雨は山も雨と思ったが意外や意外であった。小さな岩場越えたりして高度を上げてゆくと 後ろの山は競りあがり、積雪もはっきりしてくる。よく見ると左に二の塔、三の塔、右に長尾尾根とその向こうに丹沢三峰山が連なっている。
三叉路から30分ほど登ると、山道は自然林の並木道のような気持ちのよい広いホワイトロードに変わる。 さらに30分ほどゆくと自然林の広く明るい広場に至り、この尾根の一番美しいところとなる。そして、その先は並木道がやや狭くなり、赤い頭の白いポールが立ち、「水源の森林 神奈川県」とある。 この先も好ましい自然林の山道がしばらく続くが、やがて尾根は狭くなり、勾配も増す。風の通り道であろうか、冷たい強風が尾根を渡り指の先や耳が痛いくらいである。 積雪は3cm位あり、日陰でしかも寒風のために凍ってやや硬くなっている。アイゼンを持参しなかったので、キックステップしながら慎重に登る。
しばらく登ると、山道は幸にも下草が小笹の掘れた道に変わる。 笹と掘れた山道に強風が幾分遮られ、それに足元も心配しなくてよくなったので一息つく。やがて勾配も緩み、雪も日差しで緩んでくる。そして掘れた山道を忠実に登ってゆく。
途中、左に笹の切り開かれた 道が二箇所ほど出でくるが、それを見送り、さらに掘れた道を忠実に真っ直ぐに登って行く。やがて勾配が完全に緩み白い看板の立つ山道に突き当たる。右に10mくらい行くと、 ヤビツ峠からの山道と合流する。そして左に石段を登って行くと積雪が4〜5cm位ある大山山頂に着いた。

小休止した後、北尾根に向う。最近北尾根は人気があるので誰か先に歩いていると思ったが、雪面には足跡がない。雪のない時は何度も歩いているが積雪期は初めてである。 いつもは掘れた山道は困ったものだと思いながら歩いているが、こういう時は道筋がはっきりして極めて都合がいい。 テープも然りである。 こんななんでもないところに何でテープをつけるのかと思って歩いているが、今回はテープさまさまである。 しかし、地獄沢尾根が派生しているあたりはテープがアチコチにあり、何を信用したらよいか分からない。結局夏の道を思い出して 下る。
その下ったところの先にブナの大木がある。ここはだだ広くなっていて、迷いやすいところである。鹿の足跡についていったら、 左の沢の方に行きそうになって慌てて、テープのある向いの高みに登る。そんなゲームみたいなことを楽しみながら、静寂の北尾根をどんどんと下る。
やがて、遥か左手前方にこれから向うガレたミズヒノ頭が見えてくる。西沢の頭の手前のピークで、尾根が二つに分かれているが、迷うことなくミズヒノ頭方向の左の尾根を下ってゆく。 痩せ尾根を下り登り返すと自然林が美しい西沢の頭となり、そして下ると北尾根で最も好きなブナ林となる。 そこで北尾根ではじめて人(ご夫婦)と出会った。ご夫婦の踏み跡をたどって登り返すと、 5月初旬には花を咲かせるミツバツツジの大木の立つ広いピークに達する。そしてさらに進むとガレたミズヒノ頭が目の前に見える展望の草地にでる。
いつも昼食をとるのはこの辺である。今回はミズヒノ頭で昼とすることにして前に進む。ミズヒノ頭から見る大山と北尾根の北斜面はびっしりと雪を付け冬山の様相を示している が、西向きのミズヒノ頭は日差しを浴びて暖かく春山のようである。周りの山々を眺めながら昼食を取り至福の時を過ごす。ここまで来ると 着いたようなものである。雪の残るミズヒノ頭の北斜面を20分ほど下ると16号鉄塔である。そして左の尾根を地獄沢橋目指して下る。
尾根の下の鞍部付近は伐採作業をしていてそこら中杉の枝が散乱している。前回は左下の林道に送電線鉄塔巡視路を経て降りたが、今回は 定かでないので真っ直ぐ尾根を行くことにする。最後にピークを登り返すのは楽でない。ピークを過ぎて下ってゆくと左下に県道が見えてくる。 県道付近の植林帯はミツマタの群生地になっている。ミツマタの様子を観察して帰ろうと下って行くと、ここでも伐採作業をしている。 倒木や払われた枝がそこら中に散ばっており、ミツマタも傷んでいる。今年はここ大山登り口のミツマタは期待できそうにないようである。


(地図)
・昭文社 山と高原地図 「丹沢」(黒い細い破線のコース記載有り)
・1/25000地形図 大山

(コースタイム)
地獄沢橋(P)7:40--諸戸8:08--道標8:13--メインの尾根8:38--小さな岩場8:56--「水源の森林」標識(明るい自然林の広場)9:42-- ヤビツ峠からの山道との合流点10:25--大山山頂10:29〜40--西沢ノ頭11:36--ミズヒノ頭(昼食)12:04〜22--16号鉄塔12:44-- 地獄沢橋(P)13:41




霧の杉木立とミツマタ(諸戸にて)





金毘羅尾根の自然林






北尾根地獄沢尾根降り口付近のブナ





北尾根西沢ノ頭付近のブナ


[CANON EOS Kiss DN / TAMRON XR Di 28-300mm / EF-S10-22mmにて撮影]



ヤビツ峠を基点に金毘羅尾根・大山と歩く ('08-01-02)
初詣を大山阿夫利神社奥社にしょうと、ヤビツ峠に車を置いて、駐車場の北側左隅から 沢沿いの山道を下って、青山荘、県道、諸戸、金毘羅尾根を経て大山に登り、帰りは一般コースでヤビツ峠に戻った。駐車場と青山荘間の 沢沿いの道は右斜面が崩壊して荒れていたが、テープもあり、山道の倒木も処理され、歩けるようになっていた。 新しい発見としては金毘羅尾根の大山山頂に近いあたりで、下のように富士山が大きく見えたことであった。
(コースタイム)
ヤビツ峠(P)7:33--青山荘8:17--諸戸8:30--ヤビツ峠からの山道との合流点10:50--大山山頂10:54〜11:26--ヤビツ峠(P)12:40