A.山歩き/2.山紀行/・・菰釣山


菰釣山

菰釣山山頂付近から振り返る


道志の森キャンプ場〜菰釣山〜城ケ尾峠〜道志の森キャンプ場 ('06-11-03歩く)
連休はどこも込むのでジッと家にいることにしているが、11月にも入り、丹沢の 山々も紅葉の時期かと気になり、暖めていたブナ林と富士山展望の山、菰釣山に登ってみた。

近場なので、いつもより遅い5:20に 家をでる。1時間ほど走ると洒落た名前の412号線の青山交差点にさしかかり、左折するといよいよ道志道に入る。ここから、40分ほどカーブの多い道を走って道の駅に到着する。 地図ではその先左折である。念のために道の駅に止まって確認する。約200mも行くと「道志の森キャンプ場」の看板が左にあり 左折する。道なりに行くと程なく道志の森キャンプ場に到着する。
オートキャンプ場なのでいたるところに駐車場がある。どこに車を置い たらいいだろうかと、うろうろする。登山者は場内に駐車すると500円頂くという看板があるが、朝早いので管理棟も開いていない。結局、 キヤンプ場入口の大型車Uターンスペース広場の50mくらい手前の左側の杉林の路肩のスペースに車を置いて出発する。

大型車Uターンスペース広場の先で道はYの字に分かれている。 手製の道標があり、左城ケ尾峠、右菰釣山とある。どちらから廻るか考えたが、山頂に近い右から廻って、ルンルン気分で尾根を歩き、 城ケ尾峠から下ってきた方がいいと考え、林道を右に入る。実際歩いてみると、尾根はアップダウン多く結構きつい、どちらからでも変わらない。 むしろ最初に済ましてしまった方が良かったかと、歩き終わったあと思った。
しばらく行くと「道志水源林・水源の森100選」という標識があり、 豊かな森が続く。昨夜雨が降ったようで、山にはもやが立ち込め、葉っぱを落とした枝についた水滴がキラキラと輝いている。50分ほど歩くと 右手に菰釣山登山口が現われ、階段を登って杉の植林帯に入っていく。やがて道はブナ沢に沿って行くようになり、 右斜面の紅葉の森から色とりどりの葉っぱが散っていて、秋ならではの華やかさである。 しばらく行くと山道は左の枝沢に向い、その沢を尾根まで登り詰める。最初は沢に沿ってであるが源流付近の勾配のきつくなったところではジグザグと登って行く。 そして山道が深い笹で覆われだすとまもなく尾根にでた。枝沢の道は、じめじめしたくぼ地の中を歩くので、いまいち陰鬱な感じであったが、尾根に出て ようやく清々した。
右に、菰釣山の方に上って行くと、待望のブナの大木がところどころに現われる。しかし、天気が今ひとつでブナの黄葉が輝かない。 それにもみじも少ない。今年は強風の日が二度ほどあり、暑さも続いて紅葉は不作のようである。避難小屋からすぐかと思ったら、だらだら登りが結構続く。 ようやく薄日が差して、ブナの黄葉とわずかなもみじが見違えるように輝き、森全体が明るくなる。 尾根に登りついてから写真を写しながらであるが約1時間弱して山頂に着く。富士山展望の山とも聞いたが、確かに尾根の西端が山頂で 木々は払われていて極めて展望がよい。しかし、どんより雲の多い空で、全く富士山方向は見通しがきかない。
富士山も見えないし、 黄葉も輝かない、小休止したので下ることにする。30分くらいで先ほど登ってきた尾根の道志の森キャンプ場分岐に着く。ここから新たな道である。 どんな風景が現われるが楽しみにして行く。すぐ登りにさしかかりピークに達するとブナの大木も立ちブナ沢の頭かと思っていくが道標はなく、 急降下しだす。
その向こうに見えるピークがいやに高く見え、先が思いやられる。しかし、見た目と実際は違い、あっさりとブナの多い尾根を登り返して 「ブナ沢の頭」に達する。もう、高く見えたピークには登ったんだからそれほどこの後は登りはかろうと思って行くが、また、その向こうにピークが見える。 それがこの尾根の最もきつい「中の丸」への急登であった。10分ほどあえぎあえぎ登るとようやく勾配も緩みホッとするが、「中の丸」はもう一つ先であった。
少し行くとおびただしいブナの林立の間を透かしておわんを伏せたようなピークが見える。それほど太いブナではないが、その林立が美しい。 写真を写し写し10分弱上るとブナ林の中のテーブルのある中の丸に到着する。もう昼も近いので周りの風景を見ながら昼食とする。もみじが痛んでいても日が差すと様になるはずと思うが、 相変らず、天気はいまいちで紅葉は輝かない。
昼食もとって疲れが取れたので出発する。もみじの点在するブナ林を下っていくと、尾根が広くなり、明るく美しいブナの林立の広場を行く様になる。これが 約15分弱ほど続き、この尾根で一番の風景である。曇り空でもそうなんだから霧のとき、晴れて黄葉が輝くときすばらしいだろうなと思いながら下る。
このブナの美林を過ぎると、ブナも時々現われるが雑木が多くなる。アップダウンも繰り返すがそれほどきつくない。ただひたすら黙々と歩いてゆく。 そして中の丸より40分ほど歩くと、また、ブナが多くなり、緩やかに登って行くと広く伐採された城ケ尾山山頂に着く。
ここから明るい雑木林の広い道を 7,8分下ると、いかにも鞍部の峠という感じの城ケ尾峠に着いた。ここを左に下ると道志の森キャンプ場であるが、古い道標には「善の木 神地」 とある。後はひたすら下るだけである。山道付近の木々は尾根の陰になっているので、先だっての強風がさえぎられ、葉っぱは散らなかったようで、点在する紅葉は尾根より綺麗である。
約30分ほど下ると林道に降り立つ。そこにも「道志水源林・水源の森100選」とあった。 広大な面積のブナ林の水源の森であった。それから黙々と林道を40分も下ると道志の森キャンプ場についた。 今朝ほどは閑散としていたキャンプ場、三日連休の初日であるためか、もうすごい数のテントと車、家族連れなどで賑わっている。 今の家族、休日は都会の繁華街に出ることが多いかと思ったが、このように自然をエンジョイする家族も多いのをみて、なんとなくホッとする思いであった。


(地図)
昭文社 山と高原地図 「丹沢」

(コースタイム)
自宅5:20==青山交差点6:20==道志の森キャンプ場(P)7:15〜30--林道登山口8:20--枝沢8:42--尾根9:10--避難小屋9:21--菰釣山10:03〜12--避難小屋10:38--道志の森キャンプ場分岐10:46-- --ブナさわの頭11:17--中ノ丸11:45〜12:05--城ケ尾山12:51--城ケ尾峠12:58〜13:01--林道登山口13:31--水晶橋13:50--道志の森キャンプ場(P)14:14






林道に立つ「道志水源林・水源の森100選」





ブナ沢の山道




枝沢を詰める





尾根に到達する






ブナの黄葉




山頂から望む





山頂のブナの葉っぱと実





ブナさわの頭方向を望む




中の丸のブナ林






中の丸下部のブナ林





城ケ尾山へブナ林を行く




城ケ尾峠





道志の森キャンプ場のもみじ





[CANON EOS Kiss DN /SIGMA 17-70mm DC MACRO にて撮影]