高麗山の森を歩くT--男坂を登って女坂を下る(2023-01-13)
高麗山の広葉常緑樹の森は県指定天然記念物に指定され、さらに、森林文化協会と朝日新聞社が指定する
「21世紀に残したい日本の自然100選」にも選ばれている。
詳細は以下のとおりである。
「高麗山の植物相は相模湾に面した県指定天然記念物である南斜面と大山や厚木に面した北斜面では異
なっている。
南斜面は江戸時代以降大きな伐採が無いため、土地本来の自然状態がよく保たれ、スダジイ 、タブノ
キの大木を中心にウラジ ロガシ、アラカシ、カゴノキ等の常緑広葉樹が茂り、その中にケヤキ、ムクノ
キ、イ ロハモミジ等の落葉広葉樹の大木やモミ、カヤといった針葉樹の大木が混在している 。中~低木
相ではシロダモ、アオキ、園芸品種の元になっているヤブツバキ、神事で使用するヒサカキ、枝に刺針
のあるニセジュズネノキ、冬期に赤い実のなるマンリョウやカラタチバナ等が茂り、その中に高麗山が
自生地の北限となるモクレイシが点在している 。草本相ではキチジョウソウもヤプラン 、ヤブミョウガ、
ウラシマソウの群落やオオパノ イノモ トソウ、イノデ、ベニシダ等のシダ植物の群落が見られる 。
なお、
林中にスギやヒノキの大木が点在しているが、これは江戸時代~明治時代に植林されたものである 。
北斜面では戦中 ・戦後に森林伐採が行われた関係で、イヌシデ、コナラ等の落葉広葉樹林やスギ、ヒ
ノキの植林地が大面積を占めており、大木は少なくケヤキの広場周辺や尾根沿いにケヤキの大木が散見
される程度である 。中~低木相では常緑広葉樹であるタブノキ、アラカシ、ウラジロガシ、シロダモ等
の若木やアオキ、カゴノキ、モク レイシが多く、将来的には南斜面同様の森林に遷移が進むものと思わ
れる 。草本相ではイノデ、ベニシダ、リョウメンシダ等のシダ植物の群落やヤプレガサ、ニリンソウ、
黄色い花を咲かせるミヤマキケマン、ワサビの仲間であるユリワサビがみられる 。ケヤキの広場周辺で
はキツネノカミソリの群生地がみられる」(注1)
今回は県指定天然記念物に指定されている南面の森を歩いた。ルートは下の「高麗山コースマップ」(map)の通りである。
登りは赤破線のように生涯学習館駐車場(mapA)を起点に男坂を経て大堂に登り、下りは黄緑破線のように、一旦
尾根伝いに東天照まで行き、女坂へのバイパス道を経て女坂の途中に降りた。ここで、男坂の途中で、谷を隔てた
山肌にオレンジのイイギリの木を発見、近くで見たいものだと思い、女坂を男坂合流点まで往復した。
イイギリの木は女坂の途中の上斜面にあったが(mapM)、木々に覆われて女坂近くからは良く見えなく、良く見えるのは
男坂合流点(mapE)下近くからであった。
下に歩いたルートで目についた風景の写真を掲載したが、広葉常緑樹は光が葉っぱを透過しないので
暗い感じになり、難しい写真となった。
(コースタイム)---撮影しながらの参考タイムです。約6000歩
生涯学習館駐車場(mapA)12:19→男坂入口(mapD)12:37→女坂合流点(mapE)13:04---大堂(mapI)13:27〜13:33→東天照(mapK)
13:53→女坂合流点(mapL、Eポイント往復)14:10〜14:47→高来神社(mapC)15:04→生涯学習館駐車場(mapA)15:11
(地図)
・「高麗山コースマップ」(map)
(注1)---神奈川県自然環境保全センター報告誌「高麗山県有林(高麗山県民の森)史異聞」
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