A.山歩き/2.山紀行/・・金ケ岳


金ケ岳
(明野ふれあいの里から)





山頂まで0.3km付近から八ヶ岳方面を望む


明野ふれあいの里から金ケ岳(2010-11-06歩く)
百名山の深田久弥終焉の地である茅ケ岳は、多くの人で賑わうだろうが、その隣の少し高い金ケ岳はあまり登る人がいなく、静かな山歩きができるだろうと想像して、明野ふれあいの里から登ってみた。
茅野ICからひまわり畑で有名な明野に至る広域農道を山梨フラワーセンターを目指してゆく。山梨フラワーセンターの少し先の交差点に「明野ふれあいの里」の看板があり、そこを右折して上ってゆく。5分も行くと、丁字路に突き当たり、 正面に標識が立ち、左方向明野ふれあいの里、右方向金ケ岳登山口とある。右側をもう少し車でいけるかなと思い見てみたが、道が荒れていたので、左、40m先位にある明野ふれあいの里の管理棟前の駐車場に車を置く。

施設に登山口への道がないか案内板の地図を見たがない。先ほどのT字路まで戻り、案内にしたがって林道を左にカーブしながら北東に登ってゆく。しばらく行くとU字カーブ林道の先端に突き当たる。林道の行き先の案内板はあるが、山道の案内はない。 右に行って先を見るが見当たらない。今度は左に行ってたみると、20m位先に道標らしきものが立っている。行って見ると金ケ岳登山口であった。そこの道標には「山頂手前300m崩落に付き通行注意」というプレートが巻きつけてあった。
高い赤松やカラマツの林の中の山道を登って行く。林床には黄色の葉っぱの潅木が多く、右から樹間を通して差し込む朝日に、まばゆいばかりに輝いている。 最初緩やかであったが、結構な急勾配と変わる。それが延々と続く。登るにしたがって潅木の他に楓、ミズナラや白樺が混じったりするが、相変わらず、黄葉一色である。紅葉、こういう黄色一色の紅葉も、また変わっていていいか、と考え直して楽しみながら登って行く。
やがて、大岩に赤松の大木の立つ黄葉もきれいなところに至る。このあたりから、岩の多い尾根筋を避けるように30分くらい右側を巻きながら行く。巻き終わり少し登ると、林相が だいぶ落葉した広葉樹の明るい自然林に変わり、急登してゆく。途中「山頂まで1.0km」という標識に元気をもらい、さらに登るとだいぶ高度を稼いだようで、 振り返ると甲斐駒などの南アルプス山並みが垣間見られる。そして、勾配も緩み、岩の多い狭い尾根を行く。
先にピークが見え、直登するのかなと思ったところ、山道は右を巻きながら進んでゆく。トラバース道では初めて真っ赤な名残りもみじが見られ、右前方には 茅ケ岳らしいピークも見られた。巻き終わってまた岩の多い尾根を進んでゆく。段々崩落地点に近づいてきた。ついに進入禁止のトラロープがはられ「崩落注意」 のプレートのあるところに至る。山道は崩落箇所の右下を巻くように作られいるようで、登山道の矢印プレートがある。 どういう状況にも対応できるように、ここで一休みして元気をつけることにする。
金ケ岳のクライマックスはここからであった。一息ついた後、右に少し下ると、チョとした踊り場に出る。前方を見ると、左斜面にトラロープのはられた山道が作られいる。危険性はほとんどない。 それよりも、右下の紅葉が気になる。もう紅葉は終盤であるが、少し灰色かけた山肌に名残の紅葉の塊が点在してすばらしい。崩壊地を渡り終えたところがまた絶景である。左側が大きく開け、雲をたなびかせた八ヶ岳の峰々、手前右の火口壁の荒々しい壁、 眼下の紅葉の樹海、朝日にきらめくダケカンバの梢・・・。今までの閉塞感から一気に開放され、喚声が自然とでてくる。 さらに、右を見ると、富士山が茅ケ岳の右肩に浮かんで見える。
ここからところどころ岩を越える尾根歩きとなる。 結構高度感あるところもあり、山岳気分満点である。そして山頂まで0.1kmとなると草地のやさしい道となり、意外な感じがする。初めて一人の中年のハイカーが岩の道で追い越していった。 本当に静かであった登りであった。山頂はその人位だろうと思ったら、もう座るところもないほどの大勢の人がいたのには驚いた。20名余のパーティが観音峠から来ていたのである。
山頂からは甲斐駒などの南アルプスの眺めがすばらしい。 真っ白な北岳も鳳凰三山であろうか、その稜線の上から顔を出している。富士山は丁度茅ケ岳の上に浮かぶ位置にみえ、これもまたすばらしい。そのうち、パーティは茅ケ岳の方に向かった。改めてじっくり周りの山々を見渡し、写真を写す。そして満ち足りた気持ちで元来た道を下山する。危ないのは下山時なので崩壊地まで気を引き締め、あとは黄葉のシャワーを全身に浴びながらのんびりと下った。


( マップ・ガイド )
・昭文社 山と高原地図 「金峰山・甲武信」
・1/25000地形図 「茅ケ岳」「若神子」

(コースタイム)
自宅3:50==相模湖IC==(中央高速)==韮崎IC==明野ふれあいの里(P)6:20〜6:33--登山口6:52--(途中5分ほど休憩)--赤松の大木と大岩7:54--(途中5分ほど休憩)--狭い尾根に乗る8:43--崩落地9:12〜22--金ケ岳山頂9:50〜10:13--赤松の大木と大岩11:26--ダケカンバの倒木のある小さな岩のテラス(昼食)11:36〜58--登山口12;22-- 明野ふれあいの里(P)12;37



黄金色まばゆい山道





崩壊地眼下の紅葉





茅ケ岳の肩に浮かぶ富士山、崩壊地付近にて





山頂から南アルプスを望む


Canon EOS kissX / SIGMA DC 18-125mm OS HSM にて撮影