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切込湖・刈込湖





刈込湖


切込湖・刈込湖(2014-07-30歩く)
8月になると孫たちが来るので、その前の駆け込み山歩きは毎年の恒例である。猛暑の梅雨明け、やはりある程度標高が高い涼しいところがいい、それに楽に行けるところがいい。 更に、車での山歩きから電車やバスでの山歩きへの切り替えを昨年あたりからぼちぼち始めたので、そういう条件で山を選ぶ。 なかなかなく今回も奥日光に目を向ける。今までは、車なので回収が難しいと敬遠していた切込湖・刈込湖に行ってみることにした。 奥日光というと戦場ケ原や小田代ヶ原の花の草原がイメージされる。切込湖・刈込湖コースはそれにロマンチックなブルーの湖が加わったものかと思っていたが、全く違った樹林のとても美しいハイキングコース であった。

湯元バス停付近には道標がなく、下記の地図を頼りに温泉神社の方に行く。突き当ったところに案内板があった。案内に従って左に行くと 温泉の出ている湿地を左に見て金精道路へと急登してゆく。金精道路から本格的な登山道となる。急登してゆくのかと思ったら 意外に緩やかで、左に谷を見ながら気持ちの良いカラマツや黒木の高木の道を行く。左にカツラの大木が現れると急登が始まりベンチのある小峠に着く。

小休止の後進むと木製の階段が現れ、岩のごろごろしたコメツガの森を登る。ワンステップ上がると遊歩道のようなフラットな道となり、 道沿いのコメツガやダケカンバが並木のようである。やがて八ケ岳や奥秩父のような苔むすコメツガとヒノキの深い森になり、ところどころ木製の階段が掛けられた 斜面を刈込湖まで降りる。

樹間から湖が見えてくると、湖畔に下る道が出てくる。このまま通り過ぎて、切込湖まで行こうかと思ったが、どういうわけか引き込まれ、湖畔に立つ。 湖面に映る対岸の山々や風に波立つさざ波が美しい。写真を撮って時間を見ると、もう昼、ここで景色を眺めながら昼食とする。 山々に囲まれた静かなたたずまい、包み込まれるようで気持ちが落着く。コメツガの湖沿いの道を進むと、段々湖の幅が狭くなり、ブルーの川のような感じで次の切込湖に繋がっている。 どこか降りるところあるだろうと楽しみに進むと、切込湖の標識が出てきて、少し行くと湖はおしまいになる。 先ほど刈込湖に降りて正解だったと安堵する。寄らなかったら湖の写真を写せなかった。

ここから、涸沼へと緩やかに登ってゆく。カラマツ、コメツガ、クロベの美しい 風景が続く。まるで風景林の園地のようである。好みで分かれるが、本ハイキングコースで一番の風景であった。名残惜しみながら行くと、 左眼下に小尾瀬のような湿原が見えてくる。ここも小笹の原に疎林が立ち美しい。昔は花が多かったらしいが、今は小笹が浸出して 花は減ったようである。この時見られた花はマルタダケブキだけであった。涸沼で13時16分、光徳のバス時間15:20まで約二時間しかない。本コース最大の山王峠までの急登が待っているので先を急ぐ。

涸沼を左に廻りこむように斜面を登ってゆく。 ある程度上がったところで、斜面をジグザクと急登してゆく。やがて、上にガードレールが見えてくる。林道に上がると思ったら平行に 緩やかに登ってゆき、石段が現れると林道に接する。ここが林道の山王峠で、本当の峠は笹の道を進み、小太郎山登山口を左に見送った先の笹原にベンチがあるところであった。 ここで小休止して最後の一時間の下りに備える。

カラマツや黒木、ダケカンバの混じる斜面を急降下してゆく。 15分も下ると傾斜も緩み美しいダケカンバの純林が現れ、続いて高木のカラマツ林を行く。これが終わると、ミズナラの純林となり、まるで 純林見本林のようである。右下に笹の原らしいところが見えてくると間もなく光徳牧場のレストハウスに着く。時間が無いので パスして車道を光徳入口の方に進む。光徳園地の次の光徳駐車場を突っ切る近道を行くと、すぐアストリヤホテルであった。

帰りのバスの車窓からときどき見えるホサキシモツケの群生が、光線の加減で、朝より美しく見える。マイカーなら途中止めて写すんだがと、 電車、バスでの山歩きの不便さを思う。バスの中でノアザミの群生がきれいだった、今まで見たことがない、という会話が聞こえた。うちに帰ってNetで調べてみると、 小田代の貴婦人の手前がピンクの絨毯であった。

(地図・ガイド)
・昭文社 山と高原地図 「日 光」

(特記事項)
・電車: 東武浅草6:20→東武日光8:25、バス: 東武日光駅8:40→日光湯元10:05 を利用しました。
・アストリヤホテル前バス停の最終日光駅行きのバス時刻は15:55です。今回は15:20の日光駅行き
 に乗れた。

(コースタイム)
湯元バス停10:10---林道10:29---小峠11:08〜11---刈込湖11:48〜12:10---切込湖標識12:32--- 涸沼展望台(涸沼の植物、看板)13:16---車道の山王峠(奥鬼怒林道)13:48---山王峠13:52〜55---アストリヤホテル前バス停15:00





切込湖





風景林(切込湖〜涸沼)





涸沼風景





ダケカンバの純林(山王峠〜光徳)


Canon PowerShot G1X MarkU にて撮影