A.山歩き/2.山紀行/・・黍殻山


丹沢・黍殻山


黍殻山


奥野林道から黍殻山 ('07-04-29)
GWの真っ只中、明日は天気がいい、どこか出かけたい気分となる。高速道路は渋滞するので、近場で新緑の中を散歩するところ ないかと考える。そういえば、4/中旬二回ほど早戸川の芽吹きや山桜の写真を写しに行った時、北側の尾根の上にガードレール が見えた。あそこから早戸川の新緑を眺めるのもいいかもしれないと行ってみることにする。
あのガードレールは 昭文社の山と高原地図「丹沢」を見ると「松茸山自然公園」の北側の水沢橋から馬の背・大平と尾根の中腹に沿って伸びている林道(奥野林道)のようである。 そして大平から東海自然歩道の黍殻山に山道がつながっている。はじめは大平あたりで引き返す予定であったが、誘惑に負けて黍殻山まで登ってしまった 。

宮ケ瀬湖の虹の大橋を過ぎて、津久井の方へ左折し、鳥屋交差点を早戸川国際マス釣場の看板に従って左折する。 道なりに行くと奥野ずい道となる。ずい道を抜けて、真っ直ぐ行くと早戸川国際マス釣場であるが、ここを右折する。5分も行くと ゲートがあり林道は通行止めとなる。ゲート付近には7,8台くらい車をおけるスペースがある。 朝、7時頃なのに、もう4,5台駐車していて、渓流釣りの人一人が準備をしている。山歩きの人間には不案内なところであるが、渓流釣りの人には良く知られた場所のようである。
林道は二つある。左上の林道を松茸山自然公園の北側沿いに上って行く。4/中旬、早戸川に写真を写しに来た時、松茸山自然公園の登り口には 「ヒルに注意」という看板があった。この辺もヒルがいる可能性があるが、林道は舗装なのでその心配はない。余り見晴らしはよくないが、林道の左崖の上の新緑に日差しが 射しまぶしく輝いている。新緑を透過していくる光りを浴びながら35分ほど上がってゆくと、松茸山自然公園の奥野口に到着する。 びっくりである、そこには区画された駐車場まである。公園を整備した当時はここまで車でこれたのかもしれない。今はゲートで交通止めとなっている。なんというちぐはぐなことだろう。
このあたりから馬の背をへて林道は結構勾配のきついところを行く。15分も登ると、左側がところどころ開けてきて、眼下の早戸川の森や本間の頭の尾根、それから蛭ケ岳の方まで 見えてくる。写真を写しながらさらに30分も行くと、今度は正面に萌黄色、黄緑などの新緑にまだ桜の残るガタクリ峰の尾根がまじかに見えてきて、身も心も新緑に染まる。 さらに、左側には澄み切った青空の下に東海自然歩道の尾根の姫次・黍殻山の連なりも展開する。それらを見ていると、むしょうに登りたくなり、登山口を探して先に行く。
しばらく行くと、まだ芽吹いていないケヤキの大木の林立するなだらかな斜面の広場にでた。急に風景が変わり、こんなところに このようなところがあるとは、と驚いた。よく見ると「かながわの美林50選 奥野大平のケヤキ林」という標識が立っている。途中で引き返していたら出合えなかった。 儲かったような気分となる。そしてほんの少し行くと右に登る道路が分岐していて「東海自然歩道 大平分岐・黍殻山方面」の道標が立っている。

東海自然歩道への 山道は奥野大平のケヤキ林の脇を登って行っている。そして杉の大木の林立している斜面をジグザクと登って行く。林間にはクロモジの木が点在し、木漏れ日 に輝く若葉は蝶が舞っているかのようである。また足元を見るとヒトリシズカがやはり木漏れ日のスポットライトに照らされ輝いている。そこまでは良かったが、杉の植林帯の 薄暗い山道が延々と1時間も続く。そして次に左が自然林の尾根らしきところを直線的に延々と登って行く。ほとんどフラットなところはなく、展望もいまいちな結構な登りである。 50分ほど登るとようやく植林帯の中の薄暗い東海自然歩道大平分岐につく。
そこを右に少し行くと、黍殻山を巻いている道と直登している道の分岐となる。 左の直登の道を登る。カラマツや潅木の見通しの効かない急斜面を登って行く。約15分ほど登って待望の黍殻山につく。 山頂は広くアブラチャンやマメザクラが咲いているが、カラマツなどの木々に囲まれて展望は何もきかない。
遅い昼食をさっと取り、もと来た道を下る。 黍殻山はどういうところなのか見に来たようなもので、もう来なくていいなぁ〜、と連れと話しながら下る。黍殻山は東海自然歩道の途中による山で、わざわざそのために登る山でないようである。 また来るなら奥野大平のケヤキ林位まででいいと思った。


(地図)
・ 昭文社 山と高原地図 「丹沢」

(コースタイム)
水沢橋(P)--(2時間)--奥野大平のケヤキ林--(2時間)--黍殻山--(1時間20分)--奥野大平のケヤキ林
--(1時間25分)--水沢橋(P)

















右手前は榛ノ木丸(はんのきまる)、中央奥は蛭ケ岳























かながわの美林50選 奥野大平のケヤキ林





ヒトリシズカ





アブラチャン咲く黍殻山





[Canon EOS kiss DN/SIGMA 17-70mm DC にて撮影]