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相州アルプス
(山笑う華厳山・高取山)




華厳山尾根にて


相州アルプス(2011-04-15歩く)
相州アルプスという名は今まで聞いたこともなかったし雑誌でも見たことがなかった。現地の手製の道標に、この辺ではあまりメジャーでない経ヶ岳・華厳山・高取山を 相州アルプス・西山三山と案内してあった。実際に登ってみたところ、山桜が綺麗で相州アルプスという名に恥じないいい山であった。

華厳山と高取山を、新ハイキング(2011-4号)で「山桜の宝庫西山」と紹介されていた。里の桜も散り始め、そろそろ山桜が満開かなと思い、 出かけてみた。宮ケ瀬湖の方に行くとき煤ケ谷方面(山の西側)から春の華厳山・高取山を見ていたが山桜は多くなく、それほど関心はなかった。今回、山の東側の国道412号線を登山口の大厚木CCの方に向かって上萩野のあたりに来ると、山桜がパッチワークのようにちりばめられた山が左に見えてきた。 本当に山桜の宝庫の山がこんな近くにあったんだ、と驚くとともに、期待に年甲斐もなくハイになる。
厚木市上萩野の浅間神社の直ぐ手前の道を左折して入って行く。突き当たったところが用野橋である。橋を渡った左端に、相州アルプスの略図の描かれた 手製の道標が立っている。左方向が華厳山とある。正面を見ると桜の大木が立ち、その後の里山は山桜が点在しまさに山笑うである。 さて、車をどこに止めようかと思う。あまり家のない右に行ってみる。少し行くと、石の祠の立つ空き地があったのでそこに車を置く。
身支度して用野橋の方に歩き出すが、途中、畑のあぜ道に入って、桜並木を前景に山笑う里山を写したりして道草をする。桜並木の間を乗馬が通り、牧場かなと気になる。用野橋を左に分けて南の方に真っ直ぐ行く。やがて道は大厚木CCのフェアーウエイを縫うように川に沿って行く。 コースに近いところはネットフエンスが立っている。道なりに行くと、林に近づき、正面に華厳山のプレートが、左の橋を渡った向こう側にもプレートがある。 ここが、大沢登山口のようである。
どちらから廻るか、新ハイキングの記事には高取山の北面に山桜が多い、とあったので、それを斜光の状態で写したいと思い、華厳山側の方から登ることにした。ここで気になることはヒルである。対策として、ズボンと靴下の隙間を覆うように、女性用のストッキングを持参してきたが 着用しょうか迷っていた。丁度登山口のところにこれから山仕事に入る人たちがいたので、ヒルがでているか聞いた所、まだ、大丈夫とのこと。安心して、そのまま鹿よけのフエンスをくぐって、ヒノキ林に入る。
少し行くと、道標のないY字分岐となる。 右は沢沿い、左は丸太土止め階段で尾根に上っている。ここは左に行く。少し登ると自然林となり、ずっと続く。 左に時々望まれる高取山の斜面も含めて、本当に自然林が良く残っていてくれたものだと思いながら登る。 ここから山道は下記地形図の沢と沢の間の尾根を忠実にじぐざくと辿りながら登ってゆく。 標高の低い間は木々に邪魔されて高取山の山桜の咲く美景はあまり見えないが、高度を上げるにしたがって、眺めがよくなる。 約450m付近では左側が開け、高取山の山桜の点在する尾根とその向こうにゴルフ場、さらに横浜らしき町も見える。
山道はほとんど尾根の左側斜面にあり、斜面の等高線やや上向きに沿って土止め丸太が敷設された道である。上から崩れてきた小石や土で道のフラット部分が埋まった危なかしい ところもある。又、左の沢が突き上げてきているところあたりは、結構な高度感もある。そんなことで、足元に十分気をつけて写真を写しながら1.5時間ほど登ると、 左に下っているもう一つの派生尾根に達する。ここを右上に回りこみながら登ると、木に水源林作業径路というプレートがくくり付けてありトラロープで山道は通行止めとなる。 このまま行くと華厳山の山頂を通らないで、高取山との鞍部に行くのでそうしているのかも知れない。 ここから華厳山の山頂は目の前である。右の尾根を直登して山頂に至る。
山頂付近はまだ咲いていない山桜もある。小休止の後、薄黄色のアブラチャンの咲く山道を高取山に向かって 下ってゆく。周りの木々で見晴らしはきかない。鞍部からヒノキの尾根道を緩やかに登ると、また、自然林となり、ゴルフ場と高取山分岐となる。 尾根沿いに少し行くと高取山であった。ついでなので発句石までいってみることにする。少し自然林の尾根を下ると左への分岐点に発句石説明板が立っていた。右の発句石の方はロープが張ってあり、一応進入禁止のようであったが、くぐっていってみた。 そうした所、緑のロープで柵された立派な初句石広場に降り立った。このあたりは句が出るほど風光明媚なところだったのだろう。眼下の採石場、 これ以上山を壊さないでもらいたいものである。
高取山の先の分岐に戻って、ゴルフ場の方に下る。山頂付近は冬枯れであるが、下るにしたがって、連なる木立は芽吹きの色や新緑の色に変わり、時には山桜が逆光に輝いている。また、樹間から時々、山桜をまとった華厳山、経ヶ岳が垣間見られる。 しかし、今ひとつすっきりと展望がきいたところがない。そのうち、山道は尾根から沢の方へ斜面を下るようになる。もう、山桜の風景もおしまいかな、と思ったところ、思いがけなく一箇所、 木々が開けて、山桜にちりばめられた華厳山の斜面が目の前に展開した。それはまさにフィナーレにふさわしい山笑う風景で、思う存分写真を写した。

車に戻って、近くを歩いてみた。今朝、桜並木に見え隠れした乗馬は高木競走馬育成牧場の訓練風景であった。牧場は桜が多く、 競馬練習トラックは桜のトンネルで、颯爽と走る姿は、絵になりそうだった。


(地図)
相州アルプスマップ

(コースタイム)
・用野橋8;07--大沢登山口8;30--見晴らしポイント10;00--華厳山10;24〜27--高取山・ゴルフ場分岐10;47 --高取山(発句石往復)10;50〜11;11--尾根から大沢への下降点11;56--見晴らしポイント12;00--大沢登山口12;16-- 用野橋12;34

(特記事項)
・ 本文にも書きましたが、斜面に付けられた山道は良く整備されていますが、一部油断するとずり落
 ちそうなところもあります。また、高度感もあります。足回りしっかり装備して歩く必要あります。
・駐車スペースは、用野橋を渡ったら、今回のように右に行かないで、左のゴルフ場の方に行ったほ
 うが、ゆったりしたスペースがあります。



華厳山尾根から高取山尾根を望む





高取山尾根から華厳山を望む





高木競走馬育成牧場から里山





相州アルプス説明板
(詳細は、PCに「名前をつけて保存」して見て下さい)


Canon EOSkissX / SIGMA 18-125mm OS にて撮影