皮子平
ヒメシャラの幼木とブナの大木の交錯する不思議な森、皮子平(かわこたいら)。




皮子平から戸塚峠(04-05-07歩く)
皮子平は不思議なブナの森である。ブナの森の林床にヒメシャラの幼木が林立しているのである。 写真を見て、一度実際に見てみたいものだと思い、マメザクラの咲く頃でかけてみた。
皮子平は伊豆の万三郎から八丁池への縦走路の途中の戸塚峠から20分ほど下がったところである。 どのようにして行くか、調べてみたところ筏場林道を通って行くのが一番入りやすいようであった。しかし、 筏場林道を通るには伊豆森林管理署の許可が必要であった。
電話をして書類を送ってもらって記入して承認印をもらって送り返してもらうという手順であったが 送り返していただくのが間に合わなくて、無理云ってFAXで送ってもらって、やっと行くことができた。
皮子平は下に添付の略図のように周回できる。どう廻るかインターネットで調べたところ、時計回りが 楽であるとのことで、時計回りとする。帰りに林道を歩くのは退屈なので、奥の上井屋歩道のところに車を置いて 最初林道を歩くコースに設定した。
茅ヶ崎の自宅を6:00にでた。西湘バイパス、箱根新道、伊豆スカイライン冷川ICを経て 筏場へ向かう。意外に山奥であった。林道入口まで2時間もかかり、ゲートをくぐってから ダート道を35分ほど慎重に走ってやっと上井屋歩道入口の駐車スペースに着いた。 皮子平は約3000年前に噴火した溶岩台地である。そのせいかダート道はぬかるみはないが ごつごつした溶岩が道路面から飛び出ており、パンクの方が心配な感じがした。
身支度して 手前の戸塚歩道入口へ林道を緩やかに下る。林道の周りは溶岩の上に樹木が生い茂って おり、富士山麓のようである。採石場もあり、何の採石をしているのかと思ったら軽石であった。 この軽石の上に生える植物は学術上珍しいようで案内板があった。30分ほど歩くと戸塚歩道 の標識があり、右へ溶岩の道を入ってゆく。
道は変哲もない杉林の薄暗い道であるが、木漏れ日 の当たったシダや新緑の葉っぱが時々美しい姿をみせてくれる。写真を写しながらのんびりと 約一時間くらい行くと、突然大木が現れる。杉やツガ(?)の巨木である。そこには標識が立っていて 「精英樹保護林」とある。そこからしばらく巨木が続き、三脚をセットして写真を本格的に写しながら 歩いたので思いのほか時間がかかり、戸塚歩道入口から2時間ほどして、待望のヒメシャラの幼木 の林立するブナ林、皮子平に到着した。
ここでしばらく写真を写す。ヒメシャラの若葉がブナの背丈の中間あたりを覆い、淡いグリーンの 雲がブナ林に漂っているようである。 一通り写真を写して進むとすぐ、戸塚峠分岐となる。 もう、昼も近い、戸塚峠で昼食とすることで、尾根に向かってトラバース気味にはじめて急登する。 ブナの大木も多く、数は少ないがミツバツツジも咲いている。分岐から20分で戸塚峠に着く。 展望はないが美しい新緑のブナの森の中の静かな峠でベンチもあった。
昼食後近くを散策した後、 戸塚峠分岐に戻り、車を置いた上井屋歩道入口の方へロープの張られた左の道へ入ってゆく。皮子平は昼食前の ところであるのかと思ったら、進むにしたがって雰囲気がよくなり、左に皮子平一のブナの巨木が現れる。 そして更に進むとヒメシャラの淡い茶色の幹とブナの力強い幹が交錯し、それにヒメシャラの淡い若葉のベルトが 漂い、木漏れ日が差し、その美しさに思わず喚声があがる。そして少し先に「ヒメシャラとブナの植物群落保護林」 の案内板が立っている。
この案内板の先もこの風景が続くのかと思ったがやがて杉林に入ってしまう。この案内板のあたりでもう少し 時間を取るべきであったと反省しながら、マメザクラが待っているかもしれない火口へと向かう。 やがて、樹林帯が開けて山に囲まれたカヤトの原となり、マメザクラらしい潅木が点在している。
だが、ピンクには見えない。マメザクラらしい木の枝を見上げてみると2,3個マメザクラが咲いている。 どうももう過ぎてしまったらしい。残念ながら、今年はソメイヨシノも開花が早かったので、マメザクラももう咲き 終わったようである。
道は分岐している、左は火口のカヤトの原を周回する道のようである。マメザクラが 咲いていないので右の潅木の道に入ってゆく。やがて潅木から抜け、左側からさっきの周回道路と一緒になり、 杉林の樹林帯へと入ってゆく。そしてしばらく行くと道は急下降しだし、一気に標高を下げてゆく。 左に枯れ沢を渡って登り返して右に下るとまもなく車を止めたところにあった小屋の屋根が見えてきて林道の上井屋歩道入口 に降り立った。



  • (コースタイム)
    自宅6:00→筏場林道入口8:05→上井屋歩道入口(P)8:40〜50−戸塚歩道入口9:22−戸塚峠分岐11:35−戸塚峠11:54〜13:00− 戸塚峠分岐13:15−火口(マメザクラ)14:00−上井屋歩道入口(P)14:25
    なお、写真を写しながらののんびり山歩きで、参考タイムです。

  • (地図)
    ・昭文社 山と高原地図 「伊 豆」
    ・1/25000 地形図「湯ケ島」
  • 特記事項
    筏場(いかだば)林道の通行許可書は伊豆森林管理署(tel  0558-85-1105)に連絡して郵送してもらいます。余裕を見て 2週間前くらいにコンタクトしたほうがいいです。








精英樹保護林の巨木( kodak E100vs ポジフイルム )






< RICOH Caplio G4にて撮影 >