A.山歩き/2.山紀行/・・丹沢・加入道山


丹沢・加入道山
( 1418.4m )


加入道山へのブナ林の山道


道志の湯の先(P)〜加入道山〜白石峠〜バン木ノ頭〜横浜野外センター〜(P) と歩く ('08-05-01)
昨年の秋、横浜野外センターを基点に、浦安峠〜大界木山〜畦ケ丸〜バン木ノ頭〜横浜野外センターと周回した。 このとき、バン木ノ頭の北東方向の加入道山に至る尾根が気になり、もうそろそろブナの芽吹き始める頃だろうと、道志の湯の先の駐車場を基点に上のコースで歩いてみた。

道志の湯を過ぎ、少し行くと、Y字分岐となり、 左側に上っている車道の入口に加入道山・大室山登山口の看板が立っている。 案内に従って左に入るとすぐ右側に二箇所ほど広い駐車場がある。そして、すぐ先が加入道山・大室山登山口である。今回の周回コースは 横浜野外センターとこの駐車場間が1時間ほどの林道歩きである。どちらから廻るか思案する。最初に高いところに登って、後はルンルンと下ると言うことにして、先の加入道山・大室山登山口に向う。
道志村は横浜市水道局の水源地になっている。横浜市の各区が分担して植林したようで、区の標識が立つ若木の植林地を緩やかに登って行く。そのうち太い赤松の混じる自然林の沢沿いの 遊歩道のような山道を緩やかに登ってゆく。朝の斜光に若葉の新緑がまぶしく映え、身も心も緑のシャワーに染まる。これだけでも来た甲斐あったと幸せな気持になる。
約40分ほど行くと、東屋のあるところに達し、沢とも別れ、そこから本格的な登りとなり、加入道山から派生している枝尾根に乗る。 時々、尾根筋を横断して廻りこむようなフラット道となり、適当に息抜きさせてくれるいい道である。東屋から1時間弱登ると珍しく杉林となり、それを抜けると前方に大きな尾根が迫ってきて、沢の源流部分を渡り、それから ジグザクと尾根に向って上りながら高度を稼ぐ。大岩の脇の丸太階段を登りきると、やがて加入道山と白石峠の間の尾根に躍り出る。
まずは加入道山へ左に行く。ブナ林の美しい道である。 もう芽吹いているのではないかと期待して来たがまだ冬枯れであった。新緑の頃、いいだろうなぁ〜と思いながら写真を写し写し行く。 山頂にはテーブルがあり、黄色くなり始めたダンコウバイを眺めながらしばらく休憩した。 結構、白石峠の方、大室山の方から登ってくるが、ほとんど西丹沢自然教室を基点とした周回のようだった。
先が長い、適当に休息を切り上げて白石峠の方に出発する。トウゴクミツバツツジであろうか、まだ芽吹いていないがツツジが結構多い。 ツツジの咲くブナ林、その頃また来たいものだと思いながら下る。白石峠までは登山者と会うが、その先に行く人はいないようで 連れとの静かな未知の山道を進んでゆく。
この尾根の東南斜面は鹿の食害防止のネット工事が進められている。 ネットの無いところと有るところの笹や下草の生育状況差は明瞭で、その食害のひどさを再認識したが、丹沢の山々の尾根は将来ほとんどがこのような金網フエンス風景に なってしまうのだろうか。
バン木ノ頭まで続く尾根は小さなピークのアップダウンの繰り返しで、特徴が無く、どこまで歩いてきているのか分からない。 しかし、標高が1200m位いまで下がったために、冬枯れのブナの中に、日差しを受けて、一斉に葉っぱを展開し新緑が黄金色のように輝くブナの大木、今、展葉したばかりの黄緑の葉っぱをひらひらさせているブナ、など目を楽しませてくれる。 それにマメザクラも残っている。後半になるとミツバツツジも現れ、緑の中に彩りを添える。白石峠から1時間余も歩くと、右前方に、右に下っている一部黒木の林立する尾根が見えてくる。 昨年歩いたバン木ノ頭から野外センターへの尾根は栂の大木の原生林があった。あの黒木はあの栂に違いないと思う。 やがて一つの顕著なピークに達し今までにないほど急降下する。そして鞍部に達し、急登すると見覚えのあるバン木ノ頭であった。
ここで遅い昼食を取り野外センターへと出発する。バン木ノ頭から野外センターの尾根は岩混じりの尾根のためであろうか、下りはじめたとたんミツバツツジの群生が歓迎してくれる。秋は栂の暗い原生林にネオンのように木漏れ日に輝く黄色や赤のモミジを堪能した。 今回はどんな風景が待っているだろうとわくわくする。 最初はブナの大木に寄り添うミツバツツジである。いよいよ栂の原生林になると、 こんなに暗いのにミツバツツジが育つだろうかと疑っていたが、まるで暗がりを照らす灯火のようにアチコチに点在している。写真を写しながら45分も下ると栂の原生林も終わり、やがて杉林を抜け野外センターに着く。
ここからは林道を下る。見るべきものは何もない。ただただ黙々と足を前に運んで進む作業をするだけである。 約1時間弱下ると、道志の名所「的様」に着く。渓流の岩が的のような模様になっているだけであるので前回は見なかったが、今回はくたびれたので、休みを兼ねて見物することにする。 どうして、どうして、的だけでなく、その下流には落差20m位の水量の多い滝があり、滝撮影にしばし時間を忘れさせてくれた。


(地図)
・昭文社 山と高原地図 「丹 沢」2008年度版

(コースタイム)
自宅5:40==道志の湯の先の駐車場7:25〜32--東屋8:18〜25--道志分岐尾根9:55--加入道山10:14〜28--白石峠10:48--(*水晶沢の頭11:12〜25)--バン木ノ頭12:35〜50--横浜野外センター13:54 --的様14:43〜15:05--道志の湯の先の駐車場15:20

*水晶沢の頭と思われるテーブルのあるピーク








沢沿いの道にて








稜線のブナとカエデの芽吹き








ブナの芽吹き







ツルシロカネソウ





ミツバツツジ咲く山道








栂の大木








栂の原生林にミツバツツジ咲く







魚のように見える的様





的様の滝(仮称)






Canon EOS kissDN / EF-S 17-85 IS USM にて撮影