A.山歩き/2.山紀行/・・守屋山
守屋山

ーーアヤメとヤマツツジの咲く静かな展望の山ーー


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☆東峰から西峰を望む☆東峰のアヤメ☆西峰の尾根のヤマツツジ☆
☆西峰の尾根の樹林帯☆林床のジンヨウイチヤクソウ☆

守屋山(2000-6-21歩く)
ザゼンソウの山、守屋山の山頂付近の写真を見ると、お花畑がありそう である。梅雨の中休みも今日限りとの予報を聞いて、急遽、行ってみること にした。
諏訪ICで降りて右に曲がり、左斜めに行く白樺湖方面を見送って 真直ぐ行く。大きな橋を渡ると間もなく20号線と合さるがすぐ高遠方面へ右折する 。なかなか忙しい道である。また、少し行くと安国寺の交差点となり、そこを左折し て高遠へと上っていく。
少し上ると市街地を離れ、ハルゼミの鳴き声が聞こえだし、また、憧憬の山へ来 れた幸せを感じさせてくれる。カーブの多い国道をどんどん上がって行くと、傾斜 が緩み峠のような所に到った。しかし、茶屋があるだけで登山口という感じでない。 もう少し行って何もなかったら戻ってくることにして、高遠方面に進む。
2,3分位行くと左手に晴ケ峰ゴルフ場入口の立派な看板が立っている。その 看板から道路を隔てた反対側に守屋山の標識があり、チョッとした 広場となっていて、林道がカラマツ林の奥に伸びていっている。この広場に車を置いて 身支度をする。車は一台もなく、守屋山に登るのは我々だけのようだ。
ハルゼミの鳴くカラマツ林の道を道標にしたがって上っていく。赤土のきつい 直登の道ですべりそうであるが土のせいか意外に滑らない。カラマツの下は潅木で、 ユスラウメが赤い実を付けている。家内が美味しそうにつまんでいる。
潅木が過ぎるとベニバナイチヤクソウの群生地である。少し、遅いが結構花を付 けている。また、所々にレンゲツツジの株があるが、もう過ぎて枯れた花がらを付 けているだけである。
15分程登ると平坦になり、左側少し下に林道が見える。道は林道の縁 沿いに行き、そのうち、林道を横断して木漏れ日のさす赤松の林の中を緩やかに下っていく。赤 松林は見通しが良く、あちこちにレンゲツツジの株が見える。少し花が残っているものも ある。花の満開の時はすばらしかったろうと思う。広々としてピクニックでお弁当を広げるの には良いところである。
やがて、斜面を右手に見て下ると左下にまた林道が見えてくる。結局、道は林道に降 りる。ほんの少し行くと右側に水場があり、杖突峠への新しい道標が立っている。 峠への道は右斜面を登っていっており、峠はやはり茶屋のあたりだろうか。
林道をさらに行くと、左側に「座禅草群生地・守屋山近道」の道標があり、それ に従がって左下の沢へ降りて行く。沢に下りると丸太の木道がザゼンソウの群生して いる湿地帯を横切っている。大きな葉だけで花の形跡は何もない。
木道を渡ると守屋山登山口と書いた大きな立派な柱が立っている。チョッと不釣 合いな気もする。また、ベンチ、避難小屋もあり、林道も廻りこんできている。 ザゼンソウの咲く頃は一般の人もここまで車で見物にくるのだろうか。
守屋山へはここから本格的な登りとなる。大きなカラマツの林の中を登るが、 笹の丈が大きいために見通しもきかず、赤土の道を黙々と登る。時々道端にマタタビの花が咲いている。
白樺が現われだすと一旦平坦になるが、また、白樺、カラマツの混じる雑木林を 登っていく。遠くでカッコーの声が聞こえる。のどかである。これを登りきると 右手に林道の終点の広場が現われる。ここで一旦平坦になるが、すぐ登りとなる。 コナラが混じりだすと傾斜がきつくなり、岩の鎖場もでてくるが、鎖に頼るほどでも ない。このころから満開のヤマツツジが見られるようになってきた。
やがて、傾斜は緩み、左手から急な道が登ってきている。下生えの笹も小さくなり、 見通しの良いカラマツ林の道である。気分よく歩いてゆくと、前方が開け、こんもり したピークが見え、上を仰ぎ見ると標識らしき物が立っている。また、ピークの斜面 には朱色のヤマツツジが点在している。東峰のようである。
登りきると周りはさえきるものが何もない。山頂には山の方位盤があり、それに 従がって山の同定をする。少しガスってはっきり見通せないが、八ヶ岳、南アルプス、 入笠山などが眺望される。足元を見ると満開のヤマツツジ、アヤメが咲いている。 守屋山は展望も良く、お花畑もあって良い山である、としみじみと感じる。
西の方を見ると西峰が見える。道標には一等三角点があり、20分とある。少し 休んで西峰へ向う。東峰の西に廻り込むと祠があり、賽銭をあげて安全登山を祈願す る。その傍にはアヤメが群生している。すぐ樹林帯に入り、ヤマツツジの多いところ を少し下ると、平坦な豊かな樹林の尾根道を行く。 ミズナラ、カラマツ、白樺の 大木の混じり、林床にはヤグルマソウが群生したりして深山の様相のする雰囲気の 良いところである。
西峰は守屋山の主峰であるが、この時はあいにくガスってほとんど展望はき かなかった。ガイドによると諏訪湖、北アルプスが眺望されるとあるが残念である。 しかし、アヤメが群生しており、途中の樹林とヤマツツジといい、眺望がきかなくて も十分満足できる西峰であった。このあと、東峰に戻って昼食を取り下山した。
誰とも会わない静かな樹木の豊かな花の山であった。今度はレンゲツツジが咲き、 山々が残雪に輝く頃来たいものである。

(コースタイム)
自宅5:05−諏訪IC7:50−守屋山登山口8:20〜 30−ザゼンソウ群生地9:10〜15−林道終点広場9:35−東峰10:05〜 16−西峰10:42〜55−東峰11:25〜12:05−ザゼンソウ群生地 12:40〜50−登山口13:50

(地図)
・1/25000 地形図 茅野、辰野
・守屋山略図
●追記
  • この後、諏訪より霧が峰を経て帰宅した。車山スキー場付近のレンゲツツジは、 この時期、満開であった。  
  • ザゼンソウは4/中旬が見頃である。
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