A.山歩き/2.山紀行/・・桧洞丸
桧洞丸

ーーミツバツツジ咲く桧洞丸から新緑の犬越路を周回するーー


ガイドブックでは所要時間が7時間となっているので、朝早く自宅を出発し、 西丹沢自然教室には6時40分に着いた。連休とあって駐車場はほとんど塞 がっていたがかろうじて駐車できた。
身支度して出発する。少し行くと中年夫婦がツツジコースの入り口が分らない といって戻ってきた。そんなはずはないと、一緒に行く。既に確認済みであっ たので、すぐ見つかり、途中まで一緒に登る。
桧洞丸にはシロヤシオが咲く頃登ってみたいものだと思っていた。 しかし、昨年のゴールデンウイークに石棚山へ県民の森から登った時、 ミツバツツジが綺麗であったので、このゴールデンウイークに登ってみること にした。
ツツジコースは桧洞丸への直登の道なので急登の道が多いと思っていたが、 ゴーラ沢出会いまでは沢沿いの比較的平坦な歩きやすい新緑の道であった。 だんだん右下の沢に近づいてきて、45分ほど歩くとゴーラ沢出合となった。
朝のうちは曇りで午後から晴れるとの天気予報であったので、山はまだガス っている。コンクリートの階段を上るといよいよ登りとなる。ブナの林の新緑が ガスにかすみ幻想的である。登るにしたがいガスが濃くなるが、チラホラとやや 花が過ぎ加減のミツバツツジが見えるようになる。
さらに登ると道の両側は真っ盛りのミツバツツジでピンク色に染まっている。 しかも、ガスにかすんで幻想的で美しい。写真を写しながら登る。
2時間ほど登って約1000mのところに着いて展望台のベンチで一休みする。 直登コースにしては比較的緩やかであったが、展望台からきつい急登が続く。
おおよそ1100m位を過ぎるとブナの芽は固く、シロヤシオの蕾も固い。 ミツバツツジもなく、ガスの中の冬枯れの景色の中を登るようになった。
ブナの巨木が増えて、ますますガスが濃く、風も冷たくなって、大分、上に 登ってきたな、と思ったら石棚山コースの道と合わせた。
ようやく頂上も近くなってきたようだ。少し行くと傾斜も緩くなり新緑の今芽 生えたばかりのバイケイソウがチラホラ見える。やがて、写真で見たことのある 木道が現われる。両側はバイケイソウの群落である。
木道が終わり、僅かに行くと頂上であった。既に二人ほどベンチで休んでいる。 我々も小休止する。
犬越路へは西の方に下る。最初から足場の悪い下りで慎重に下る。下り一方か と思ったが、ピークの登りにさしかかる。そこを越えると神の川分岐となり、 ベンチがあり、一休みする。冬枯れの木々の中にフジザクラだろうか小さい桜の花 がチラホラ見うけられるようになってきた。
そのうち急降下の道となり、目を離せない。岩の草地には小さなピンク色の サクラソウのようなコイワザクラが咲いていて、和ませてくれる。
途中、犬2匹連れた人と会う。鎖場では犬を登らせるのに往生したと語ってい た。それまで急な下りはあったが鎖場は無かった。少し行くとやせ尾根の鎖場が 3箇所ほど出て来た。
これを抜けると右側眼下に林道が見え、犬越路が近いことを知らせてくれた。 除々に下りながら小ピークを越えていくとトンネル付近に下る道を分ける。 そのうち犬越路の避難小屋の青い屋根が見えてきた。
この辺に来るとようやく芽吹き、緑や黄緑、茶色、萌黄色等の木々の葉が春の 息吹を感じさせる。
犬越路は見通しが良く、周囲の浅い新緑の山肌にピンクのミツバツツジが点在 し鮮やかである。用木沢出合方面に下ると益々新緑は濃く、用木沢の河原や渓谷付近 はまぶしいくらいで、心身とも洗われるような思いである。 今日1日のフイナーレにふさわしい景色の盛り上がりであった。15:05に 8時間10分掛かって、ようやく西丹沢自然教室に着いた。(1997−5−1 歩く)

(コースタイム)
自宅5:25−西丹沢自然教室6:40〜55−ゴーラ沢出合7:40〜45 −展望台
8:55−石棚山コース分岐10:20−桧洞丸10:35〜50 −神ノ川分岐11:30
−この間30分昼食休憩−犬越路13:15〜30 −用木沢出合14:35〜40−
西丹沢自然教室15:05

(地図)
・昭文社 山と高原地図 丹沢

[山紀行]