A.山歩き/2.山紀行/・・川俣川東沢渓谷

川俣川東沢渓谷


吐竜の滝

川俣川東沢渓谷(05-09-15歩く)

だいぶ前から川俣川東沢渓谷の吐竜の滝の写真を写したいものだと思っていた。しかし、甲斐大泉の方の駐車場から滝往復だけでは物足りない。 東沢大橋往復も歩く気がしない。何か周回コースがないものかと思っていたところ「新ハイキング05-09号」に清里駅基点の 周回ガイドが載っていたので、それにほヾ倣って歩いてみた。
マイカー利用のハイキングは駐車禁止の観光地での駐車場 探しが頭が痛い。幸い、今回は北沢美術館の隣に大きな町営駐車場がある。ここに決めて出かけた。
今年あたりから無料になった 清里高原道路を快適に上って行く。どこで降りるか、手前の清泉寮出口、次の清里駅出口、いずれにするか迷ったが後者が迷ってもわかりやすい だろうと清里駅出口で降りる。一般道を清里駅の標識に従って左折すると、すぐ北沢美術館が右手に見えてくる。すると隣に広々とした町営 駐車場がある。早朝で管理人のいない料金所には一台一日500円のプレートが貼ってある。帰り支払うことで駐車する。
駐車場をでて清里駅方面に少し行き、駐車場南端にある道路に右折して入る。そうすると広い十字路に出る。 正面の道路は清里高原道路の清泉寮出口から来た道であった。駐車場に入る時は清泉寮出口で降りたほうがよいことがわかった。 また、ハイキングの帰りにわかったことだが、帰りはこの十字路の右の空き地にひょこりとでた(略図・地点Z)。そういう意味ではこの 町営駐車場の位置は誠に都合のいい所であった。
十字路を渡って右に行くと清里聖アンデレ教会の標識が立っている(地点A)。 そこを左折する。道の両側にはノコンギク、アサマフウロウ、アザミなど秋の花が咲いている。高原に咲く花は同じ花でも里より色が鮮やかである。 すぐ洒落た清里聖アンデレ教会の前にでる。右側の保育園との間に道標が立っており、 「十字架の道行(みちゆき)」という道を入ってゆく。
すぐコナラの茂る森の道になり、やがて森を抜け、大きく開け牧草地の道に突き当たる(地点B)。ここには道標がなくわかりにくいが、左に 行ってすぐ牧草地に沿って右折する。ここからの八ヶ岳の眺めがすばらしい(下の写真)。また、ここら辺からはいろいろな野草の花や木の実 などあり、植物観察や花の写真を写すにはいいところである。写真を写したり、木の実を観察したりしながら道なりに行くと、右を指している「吐竜の滝」 という道標が立っており、広い道と別れ、林縁の山道を行く。すぐ雑木林に入り、平坦な道を行く。15分も行くと道はカラマツ林となり、 下りだす。森に入ってから25分ほど歩いて、小海線の線路とトンネルが見えてきて、東沢渓谷の遊歩道に降り立つ。そして橋を渡ると 吐竜の滝である。
ここで写真を50分ほど写した(下の写真)。誰かと出会うのかと思っていたが誰一人とも会わない一人占めの静かな撮影であった。 マルバダケブキに似たオタカラコウが花盛りで吐竜の滝に彩りをそえている。紅葉にはまだまだ早いが少し色づいた気の早いカエデが逆光に 透けて美しい。
吐竜の滝で十二分に撮影を楽しみ、先を行く。手軽な遊歩道と思ったら、結構の山道で、登山靴は必携のようである。 渓流のせせらぎの音、白いさざ波、滑、大小の滝、急流、よどみの水面に写る木の葉のグリーン、いろいろな名前の付いた奇岩、渓流を覆う樹木、など を楽しみ、写真を写しながら、アップダウンや橋を渡ったりして上流に向う。
吐竜の滝から2時間弱で天狗岩橋に着く。 ここは清泉寮への分岐になっている。残雪時や新緑、紅葉の時は東沢大橋からの八ヶ岳方向の眺めは絶景であるので東沢大橋まで行く価値があるが、真夏 とかはパスして直接清泉寮に行くのも一つの選択肢である。
ここから東沢大橋に向けては、階段・梯子の道となり、難所を迂回するように上ってはまた下り、 魚止滝に至る。魚止滝から少しすると渓谷とは完全にお別れし、稲妻形に設けられた階段を急登する。階段が終わるとやや傾斜がゆるみ東沢大橋目指して雰囲気の よいミズナラ、コナラの斜面を登って行く。 やがて、フラット道となりトラバース気味に行くと、樹間より清泉寮ブリッジショップの屋根が見えてきて、さらに行くと今度は東沢大橋の 赤い橋が垣間見えてくる。12時も近い、橋にでてからでは適当な木蔭もないかもしれない、この辺で昼食休憩とする。
東沢大橋まで上がると、今日の主目的の コースは歩き終えたことになり、後はキープ協会関連のお土産店やレストラン、牧場などを駐車場まで下りながら巡り歩くオマケである。
清泉寮ブリッジショップでお土産を見たりして小休止した後、雑木林の渓谷沿いの木漏れ日の遊歩道を下ってゆく。20分ほど下ると 天狗岩橋から上がってきた道と合流し、さらにすぐ先で、清泉寮へ直接いく左の道とポールラッシュ記念センターをへて清泉寮へ行く右の道と の分岐(C分岐)となる。どちらでもいいが、ポールラッシュ記念センターはどういうところかと思い右の道を行く。
相変らず雑木林の歩きやすい道を行く。 5分ほど行くとポールラッシュ記念センターの真横にでる。ちょと覗いたら山岳写真家の白籏史朗の写真展がおこなわれていた。 左の正門を抜けて真っ直ぐ少し行くと前方に清泉寮関連の施設である駐車場や建物が見える。泉泉寮の道標にしたがって行くと、見覚えのある 清泉寮の前に出た。観光客が多く、登山靴を履いてリュックを背負っては、なんだか場違いな感じがする。 ここでもお土産のお店を覗いたり、写真をうつしたりして小休止した。
次は車道を挟んだ向かいの自然ふれあいセンターへ向う。 管理棟の右側のテラスを通って「富士山とせせらぎの小道」という道標にしたがって裏の林道にでて、右に下ってゆく。 少し行くと、左手に「富士山とせせらぎの小道」の案内板が立ち、左に遊歩道が入って行っている(D分岐)。そこを左折してウッドチップの敷き詰められた 遊歩道を行く。コナラ林の雰囲気もいいし、足元も疲れた足には優しいウッドチップで、心地よい遊歩道である。道なりに10分ほど行くと、前面が広々とした 牧草地で遠く瑞牆山や金峰山の山々が見渡せる展望テラスにでる。富士山も天気がよいと見えるらしいが生憎雲で見えない。
ここで「富士山とせせらぎの小道」とはお別れして、牧草地の牧柵沿いに右斜めに行く。最初は獣道かと戸惑うがすぐはっきりした広い道になる。 牧柵沿いにノコンギクやアザミ、ハマナスの赤い実などを愛でながら15分も行くとキープフアームショプに着く。だいぶ疲れてきたので ソフトクリームを買って観光客に混じってテラスのベンチで食べながら休憩する。吹き抜ける高原の風が心地よい。
ここからも牧草地沿いに行く。いろいろ右に 分かれる道があるが見送り、兎に角、牧草地のはずれまで行く。そうすると清里駅への道(分岐E)が森の中に入って行っている。 この道は途中で頂いたキープ協会発行の自然歩道のマップには載っていない。どうも新しい道のようである。 この雑木林の道を10分ほど歩くと、小川をわたり森をぬけ、空き地にでる(Z地点)。突然明るいところに躍り出て、ここはどこだろうと一瞬戸惑ってしまったが、前の道路にでて右に行ったところ 今朝ほどの駐車場の傍の十字路であることがわかった。
照り返しで暑くしかも硬くて足が疲れる舗装道路をほとんど歩くことなく、無事、振り出しの駐車場に戻った。 お終がピタリと決まった気分のいいハイキングコースであった。


(コースタイム)
自宅4:10==相模湖IC5:19==双葉SA6:10〜37==長坂IC==(清里高原道路)==清里町営駐車場(P)7:13〜20−清里聖アンデレ教会入口A地点7:26− 牧草地B地点7:35−吐竜の滝8:22〜9:10−獅子岩10:16−乙女滝11:00−天狗岩橋11:03−魚止滝入口11:20−東沢大橋下(昼食)11:46 〜12:10−東沢大橋12:15ー清泉寮ブリッジショップ12:20〜30−分岐C地点12:50−ポールラッシュ記念センター12:55− 清泉寮13:03〜13:28−八ヶ岳自然ふれあいセンター13:31−分岐D地点13:36−展望テラス13:45〜48−キープフアームショプ14:02〜14:08 −分岐E地点14:15−Z地点14:25−清里町営駐車場(P)14:27

(地図)
・昭文社 山と高原地図2003年版「八ヶ岳・蓼科・美ヶ原・霧ケ峰」
・略図 : 川俣川東沢渓谷ハイキングマップ
●特記事項
東沢渓谷の紅葉は例年だと10/中旬〜下旬のようです。



地点B付近牧草地からの八ヶ岳



清泉寮



吐竜の滝1



吐竜の滝2



吐竜の滝3



吐竜の滝4



吐竜の滝5



渓流

[ Canon EOS kiss DN/TAMRON ASPHERICAL XR 28〜300mmで撮影しました ]