榛 名 山
〜 相馬山・二ッ岳 〜




松の沢峠上の稜線から榛名湖を望む

< 写 真 集 >


GWに孫が来て、ずっとそのお相手で、山歩きと写真撮影はお預けであった。山の新緑や花がどんどんと遠ざかってゆく。 山にも行きたい、孫とも共に過ごしたい。複雑な気持ちで過ごす日々。ようやく、5/25、孫はびっくりするくらい多くの言葉と動作の発育 記録を残して去っていった。そして、その翌日、新緑や花を求めて榛名山に登った。
相馬山('05-05-26歩く)
関越はいつも東名、環八、練馬ICのコースであるが、練馬の手前のトンネル工事で環八は大渋滞しているという話を聞いて、今回は 厚木、橋本、八王子を経て圏央道あきる野ICから関越に入った。榛名湖へは前橋ICと渋川伊香保ICから上がれるが、 ヤマツツジの開花がどこら辺まで登っていっているかを確認するために、渋川伊香保ICで降りる。
伊香保温泉の町並みを過ぎると車道の両側のヤマツツジが多くなる。上がるにしたがって満開のヤマツツジの燃えるよ うな朱色で道の両側が染まってくる。それが延々と続き、そのうちツツジ会場の横を通過する。榛名山のヤマツツジが早かったらここで ツツジ見物でもすればいいと思いながら登って行く。やがてツツジは少なくなってくるが、時々現われるツツジは、上に上がっても結構咲いている。 この分なら、全然ダメということはなさそうだと安心する。
やがて榛名道のヤセオネ峠に達する。相馬山に登った後はここに戻ってくる ことになっている。今日の駐車場は松の沢峠入口のグランドの駐車場ということにしているので、北海道の道路のような一直線の 車道を榛名湖目指して下ってゆく。両側のヤマツツジ、右側は色が濃いが、左側の疎林の織り成す草原のツツジはいまいちさえない。 グランドを探していくが見過ごしてしまい、湖畔まで行ってUターンする。ようやくユウスゲの道入口の辺りのテニスコート脇の駐車場に車を 止める。一台も駐車していない、静かな山歩きが期待できそうである。
萌黄色の混じる新緑初期の山のみどりがまぶしい。車道を山の 方に登って行くと、左側にヤセオネ峠方面の道標が立っている。そこを左に登る。いきなり木製の階段であるが、程よい段差で登りやすい。 両脇の木々、林床の野草は今葉っぱを開いたばかりのものが多い。ヤマツツジの花はどうか心配になる。ところがどういうことであろうか 現われるヤマツツジは結構咲いている。6〜8分咲きのもある。下の草原のツツジがさびしかったのでどうかと案じていたが、ホッとする。
次から次へと朱色の濃いヤマツツジが歓迎してくれる。思わず口元がほころびる。10分も登ると尾根に乗る。そこにはコナシまでも 咲いている。後ろを振り返るとヤマツツジとコナシの向こうに榛名湖が見える。ここからはアップダウンの少ないヤマツツジの道を のんびりと行く。ヤマツツジはレンゲツツジより日陰にも耐えるようで、みどり一色の樹間に点在し、ひときわ朱色に輝く姿はなかなか いい風景である。10分も歩くとまた木製の階段を登り、さらに平坦なヤマツツジ咲く尾根道を7,8分行くと、スルス岩に達する。道は左を 巻いてゆく。今日の主目的は相馬山であるのでパスする。頭上のスルス岩の周りにはミツバツツジが咲き、逆光に輝く紫系のピンクが美しい。 岩をまき終わると左に草原に下る道が分岐している。ここがスルス峠のようである。
ここより開けた緩やかに 登るヤマツツジの咲く尾根道となる。ここまで誰一人として会わない静かな山歩きであったが、ここに来て急に騒がしくなる。 子供の声である。移動教室の体験学習で中学生の団体さんが向かってくる。道を譲ってもらって、木製の階段を登って声の聞こえなくなった頃、 振り返るとヤマツツジの向こうにスルス岩が塔のように立っている。直ぐまた樹林帯に入ってゆく。やがて木製階段と石の階段を連続して登り、ミツバツツジと ヤマツツジの混じる林をゆくと赤い鳥居が現われる。そこにも中学生の団体さんが休んでいる。ここは相馬山の登り口でもあり、ヤセオネ峠への分岐 でもある。
ここからは今までのプロムナード気分の道とは打って変わって鉄梯子、鎖場で一気に高度を稼ぐ。中学生と鉄梯子の順番待ち をしていると、先生が「一般の人優先」と言ってくれて、鉄梯子を最優先で登らせてもらう。高度を稼ぐに従い、ヤマツツジはつぼみとなり、 ムシカリやミツバツツジが花盛りである。降りて来る中学生が、「頑張ってください」と声をかけてくれる。ミツバツツジや中学生の激励に励まされ 約30分余で山頂に着く。信仰の山らしく、石碑や石像などが飾られている。ガイドによると見晴らしはいいらしいが生憎遠くは靄って 視界は効かないので、小休止した後、下山する。
赤鳥居からはヤセオネ峠の方に右折して樹林の道を緩やかに下ってゆく。おびただしい つぼみをつけたヤマツツジがあちこちに見られる。樹林帯なので日が当たらないで遅いのであろうか、それにしても満開の時は すばらしい光景になるだろうと想像しながら20分ほど下ると、赤い鳥居が複数本並んだヤセオネ峠の相馬山登山口に着いた。
もうここからは車道を下るだけである。周りのヤマツツジも適当に咲いている。ここで一休みすることで、レジャーシートを出して座り込んだところ、 思いがけず友人が相馬山に登るためにやってきた。こんなところで、この時に、どうして、と本当に驚いた。私も休まず直ぐ下っていたら出会わなかったはず、 友人もたまたま通りがかりに相馬山登山口を発見してチョと登ってみようとUターンしてきたとか・・・・。 そして、予定外の、友達とのうれしい驚きの雑談となった。
その後別れ、ヤマツツジの写真を写しながら車道を下った。途中から左の疎林の草原の遊歩道に入り、 木道を通って駐車場に戻り、ヤマツツジとミツバツツジの両方を愛でることができ、予定外に友人とも会えた楽しかった山歩きを無事終えた。
エピローグ
この日はレークサイトゆうすげというところに宿泊 することで予約してある。チェックインまでまだ時間があるので、榛名富士のロープウエイ駅に行き、ロープウエイで山頂に上がってみた。しかし、木々が茂り、湖は 見えない。遠くの上信越の山々も霞んで見えない。早々に登山道を歩いて下る。約40分くらいでロープウエイ駅に着いた。下りの登山道は 太いミズナラの木などがあるもののツツジも少なく、どうも榛名富士は遠くから見るもののようである。
これでもまだ時間が余っている。ヤセオネ峠の方に戻り、 榛名湖方向を見て右斜めに榛名湖温泉に下る道に入る。ここの道はヤマツツジが多く、7,8分咲きである。この道を車を止めては ヤマツツジの写真を写し写ししながら下る。やがてレークサイトゆうすげの建つ交差点にでて、チェックインとした。

●コースタイム
自宅4:30==厚木・橋本・八王子==圏央道あきる野IC5:45==上里SA6:34〜7:10==渋川・伊香保IC7:34==ユウスゲの道入口(P)8:12〜22 --スルス岩(スルス峠)9:00--石段9:17--赤鳥居9:32--鉄はしご9:40--相馬山山頂10:11〜18--赤鳥居1045--ヤセオネ峠11:07〜11:58-- 遊歩道木道(地図D)12:20〜36--駐車場(P)12:54


5/27早朝の榛名富士



5/27の日の出、左は榛名富士、右は相馬山

二ッ岳 ('05-05-27歩く)
折角、榛名湖のそばに泊ったので、榛名湖周辺の朝景を写すことにする。今の時期、日の出が意外に早い。4:30頃である。朝食は 8:00からであるから撮影時間はたっぷりある。3:30ころ起きて撮影スポットに出かける。榛名富士が湖面にきれいに写りこむのが見える 場所は天神峠から車道が榛名湖周遊道路と合わさるボート乗り場のあたりである。そこでデジカメ、銀塩で撮影。しかし、明るくなっても 日は出てこない。どうも朝日は榛名富士の後ろに隠れているようであった。明るくなったのでゆうすげの道の方の木立を写すのに移動した ところ沼原あたりで上のような日の出が見えてきた。急遽、車を止めて朝日を写す。その後、ゆうすげの道あたり、昨日の榛名湖温泉への ヤマツツジの道で撮影した。

前日、ヤマツツジの満開が伊香保森林公園位まで登っていたのを確認した。 この日はツツジ狙いで森林公園のピーク二ッ岳に登ることで宿を出発する。予想通り森林公園の管理棟付近のヤマツツジは真っ赤に燃えている。 管理棟でマップをもらって出発する。コースは雄岳はNHKのテレビ塔工事で立ちいり禁止であったので雌岳コース(2時間30分) を廻ることにする。
管理棟付近の標高の低いところは満開のヤマツツジが木立に点在し、真っ赤に燃えている。木々も相馬山よりも背丈が高く 緑が進んでおり、さわやかなみどりが好ましい。それにホウジロであろうか小鳥のさえずりがまたすばらしい。山全体が火山でできたようで いたるところに大岩が転がっている。そのためであろうか、登るにしたがってミツバツツジが多くなる。岩にミツバツツジ、ヤマツツジ、樹木、 自然の庭園のようですばらしい山道である。ぐると回り込んだところにある屏風岩では、迫る岩壁、岩壁に根を絡ませてのびる樹木、彩りを添える ミツバツツジ・・・などなど圧巻である。
約45分ほど歩くと雄岳と雌岳の間に到達して雌岳への登り口となる。この登りは結構きつい。 折角の土の流れ止めの丸太の階段があるが、土が流れてしまって、障害物競走のように丸太をまたいで登らなければならない。 15分ほど登ると傾斜もゆるみ、ミツバツツジとつぼみのヤマツツジの競演の中を行く。そしてぽっかりと開けて山頂となる。 すぐ目の前に水沢山がピラミット形にりりしくそびえ、眼下にはスケートリンクやツツジ祭りの朱色の塊が見える。
小休止の後、登り口に降り、管理棟の方へ下ってゆく。樹形の美しいミツバツツジ、大岩、まばゆい新緑、などを愛でながら 下ってゆく。下るにしたがってヤマツツジが多くなる。やがてもみじの広場分岐となるが、一旦、蚕を昔保存したという冷気の漂うわしの巣風穴に 寄ってからヤマツツジの中の遊歩道をもみじの広場に行く。もみじの広場に着くともうすぐ目の前が管理棟である。出発したのは9:15で、 戻ったのが丁度12:00である。ほゞコースタイム通りに歩いたようである。

●地形図 榛名山マップ




雌岳から水沢山を望む




雌岳のツツジの競演