A.山歩き/2.山紀行/・・鼻曲山


二度上峠から鼻曲山



途中の開けたところから見えた鼻曲山
草地にはタニウツギ、クサレダマ、カラマツソウが咲いていた


二度上峠から鼻曲山('10-08-01歩く)
鼻曲山へは「母さん、僕のあの帽子は、どこへ行ったんでしょうねえ--人間の証明」の舞台となった霧積温泉から若い時一度登ったことがある。登った時の印象は余りなく、もうすっかり忘れていた山だった。
最近届いた新ハイキングの8月号をめくったところ、レンゲショウマの咲く鼻曲山の記事が出ていた。レンゲショウマが咲くのか〜、それならもう一度行ってみょう、と思い立ち、レンゲショウマには少し早いと思ったが、 今度は二度上峠から登ってみた。

二度上峠の駐車場に車を置く。手前の浅間隠山の登り口には一台駐車していたが、こんな時期、あまりポピュラーでない鼻曲山には一台も駐車していない。昨日は雨だったようで草が濡れているので スパッツをつけて森の鼻曲山登山道に入り、コナラやミズナラの雑木林を緩やかに上って行く。
膝くらいまでくる熊笹の覆いかぶさった山道を露払いしながら進む。あっという間にズボンはびしょ濡れになる。 レインウエアーのズボンを持っているが面倒である、そのうち笹も途切れるだろうとそのまま進む。やがて獅子岩が現れ、右を巻きながら 行く。獅子岩の頭を過ぎると一旦下り、それから小さくアップダウンを繰り返して氷妻山に至る。獅子岩付近はミツバツツジが群生し、春のツツジの花の時期は良さそうであるが、今は、殆ど彩りはなく、見晴らしもきかない熊笹の斜面の薄暗い 退屈な雑木林の山道である。
氷妻山からは最初緩やかであるがそのうち急降下する。やがて傾斜が緩んで、小さなアップダウンを繰り返して行くようになると、雑木林が僅かに途切れるところが所々に出てきて、 そこにはカラマツソウ、クガイソウ、オカトラノオ、クサレダマなどが咲いていて、ようやく目を楽しませてくれる。 そして、笹も小笹となり、森も見通しの良い所も出てきて、時々ノリウツギも見られる。また、小ピークでは鼻曲山が一瞬であるが見えたりする。
そうこうしている内に、鼻曲山への登りに差し掛かる。明るい森であるからか林床にシモツケソウやクガイソウが所々で見られる。大分登ったので、そろそろ1630mの尾根かと思ったら、 急登の前の1500m等高線の小ピークであった。シモツケソウが群生していて好ましい雰囲気の道を少し下ると、いよいよ最後の急登となる。
林床は小笹からカラマツソウやヤグルマソウ、シダなどの野草が多くなり、レンゲショウマが咲いていても おかしくない雰囲気となる。カラマツソウの白い塊がアチコチに点在し、一瞬レンゲショウマか、と目を疑った。そしてよ〜くみるとその周りに緑の球が チラホラと見える。まだ、早かったのか、と方々探して見ると、下の写真のように咲いているものも僅かであるが見られる。早速、初物を写真撮影する。 カラマツソウの咲くこの急斜面は、下部と上部がレンゲショウマが多く、傾斜が緩んでくるとレンゲショウマはなくなる。 急登を終え、緩やかに少し登ると鼻曲山山頂が見える開けた小さな尾根に達する。
ここから熊笹で覆われて幾分分かりにくい山道を右に行く。尾根筋を見極めて笹を掻き分け潅木をくぐって行くと、すぐ広い軽井沢からの山道に躍り出る。 分岐点には道標が立ち、二度上峠方面の標識もある。帰りはこれを目印に笹薮に突入することになる。
ここを左に広い山道を少し行くと、ノリウツギ、シモツケソウ、マルバタケブキ、トリアシショウマが咲き、三角点のある小天狗に着く。ここからの 見晴らしは良さそうであるが、生憎ガスってさっぱりである。 それにしても、鼻曲山の標識がないのはおかしいと思って先に行って見ることにする。少し下って登り返すと、右下に霧積温泉方面の山道を分け、その先に鼻曲山 の標識が立ち、山頂に達した。
昔の記憶は全く蘇らないが、シモツケソウのお花畑やレンゲショウマも見れたし、景色も晴れていたら良さそうだし、手ごろないい山と思う。 二度上峠コースはミツバツツジの咲く頃や紅葉の頃も良さそうである。その頃、もう一度歩いて見たいものだと思う。


( マップ・ガイド )
・昭文社 山と高原地図 「浅間山・軽井沢 2004年度版」
・1/25000地形図 軽井沢・浅間隠山

(特記事項)
・二度上峠には高崎側から行って左側に5台程度置ける駐車場があります。
・コースタイムは写真写しながであるが、地図の2倍ほどかかりました。
 ゆっくりだと1.5倍くらい考えた方がいいようです。

(コースタイム)
自宅3:55==八王子IC4:55==(圏央道・関越)==上里SA6:00〜30==前橋IC6:40==二度上峠(P)7:55〜8:04-- 氷妻山9:05--稜線分岐10:50--小天狗10:55〜11:05--鼻曲山11:09〜24--稜線分岐11:32--氷妻山12:40〜52--二度上峠(P)13:40

氷妻山にて


熊笹で覆われた山道を行く




霧の氷妻山、戻り写す



氷妻山〜1500m小ピーク


森に咲くクガイソウ






林床のシダ





森に咲くクガイソウ





シモツケソウ咲く山道 1500m小ピークにて



カラマツソウとレンゲショウマ咲く急斜面






カラマツソウ咲く斜面
レンゲショウマは殆どつぼみであった




タマガワホトトギス






山頂の小さなお花畑




Canon EOS kissX / SIGMA DC 18-125mm OS HSM にて撮影