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箱根 黒岳




コオニユリ咲く山道より黒岳方面を望む


湖尻峠〜黒岳〜長尾峠(2013-08-29歩く)
ようやく孫の夏休みの付き合いから解放されて、山歩きを約1ケ月ぶりに再開した。最近一時的に秋雨前線が南下して、関東も乾燥した涼しい空気に覆われている。 どこへ行くか悩むが、やはり秋風の感じられる風景、例えば、マツムシソウやオミナエシが涼風にゆれているところ、などに行きたいと 思う。マツムシソウというと、湯の丸の池の平あたりがいいが、遠くてなかなか腰が上がらない。近場で・・・・、そういえばアシタカマツムシソウという品種が 箱根の黒岳に咲いているとのこと、どういう花なのか行ってみることにした。
黒岳の名前は下記の山の地図には載っていないが、現地の深良水門付近に 立っている案内板のコースマップには記載されている。湖尻峠の北側の1018mのピークが黒岳である。この辺の外輪山の稜線は、芦ノ湖スカイラインが通っているので歩く 気がしなく、今まで歩いたことがなかった。今回は、折角なので、芦ノ湖キヤンプ村から湖尻峠・黒岳経由で外輪山をミニ縦走して長尾峠まで行き、箱根カントリーに降りて、芦ノ湖キヤンプ村に戻 ってくる周回ルートを設定して歩いてみた。

車を芦ノ湖キヤンプ村入口向かいの無料駐車スペースに置く。車道をたどって深良水門の方にゆけるが風情がないので、 芦ノ湖キヤンプ村に入って湖畔方向に下り突き当って湖畔の道を右折、そして、湖尻新橋を渡って芦ノ湖西岸遊歩道に入ってゆく。

ここは7月の下旬に歩いたばかりである。 ほんの1ヶ月なのに野草は季節に敏感で、もう、ツリフネソウ、キンミズキ、ミズヒキ、ヌスビトハギ、ホトトギス、ツユクサ、ノブキ、それにヨメナが咲いている。 特にヨメナの大群生には目を見張るものがあった。夏の名残りのタマアジサイもまだ咲き、遊歩道を所どころ彩っている。それに、小鳥も里の暑さを避けて避暑に来たのであろうか、 針葉樹のあたり、囀りの賑わいには驚くばかりである。芦ノ湖を渡ってきた涼しい風が頬をかすめ、高原はもう秋、清々しい。

深良水門からタマアジサイ咲く杉林の滑りやすい石畳の道を登って行く。約30分も登ると、芦ノ湖スカイラインの湖尻峠に着く。 ここから右に黒岳目指して登ってゆく。すぐに目当てのマツムシソウが、群生でなくポツリポツリとあらわれる。 アシタカマツムシソウと言って根生葉(こんせいよう)があるという。確かにそれらしいものがあったが、普通のマツムシソウと区別がつかない。 このほか、フジバカマ、アザミ、タムラソウ、キンミズキ、オミナエシ、コオニユリなど防火帯のような道に生えており、目を楽しませてくれる。

一山越えるとまた向こうに山とピークが次々に現れ、丸い山のてっぺんに木立が見えてくると、灌木と笹の道を登ってゆき、黒岳の山頂に到着する。 山頂には黒岳の名前はないが石柱に「目標抗」という文字が刻まれていた。ここから下り一方か、または平坦かと思っていたらとんでもない。 黒岳から30mほど下り芦ノ湖展望公園に至り、そこから70mほど登り小ピークに達し、また80mほど下って標高980mの鞍部に至り、そこからまたまた、 1044.9m三角点のピークまで65mほど登り返す。ここまではほとんど両側2.5m位あるハコネササの塀のような道や灌木のトンネルを行く。途中、芦ノ湖展望公園や富士見ケ丘公園 などで開放され一息つく。このあたりからは富士山も見えるはずであるが、今回は雲に覆われ見えなかった。野草はハンゴンソウが一か所あっただけで、ほとんどがキンミズキとゲンノショウコだけであった。

1044.9m三角点付近に来ると、風景がガラリと変わって豊かな広葉樹の森の道をゆく。思いがけず太いブナが次々と現れ、また、箱根の名所スポットを発見した想いであった。950m位まで美林を愛でながら 下ると、スカイラインと合わさり、また登りながら分かれてゆく。小ピークに達すると長尾峠駐車場分岐となり、更にハコネササの道を下ると仙石原分岐に至りハコネササの道を右に下る。 少し下ると、長尾峠茶屋跡に降り立つ。昼を食べる適当な場所がなく昼食を伸ばしてきたので、ここで箱根の外輪山に囲まれた広大なカルデラ を眼下に見ながら昼食とする。

ここから杉の植林帯を急降下してゆく。林床にはモミジガサの白い花が点在している。足がガクガクしたしたころ、ようやく箱根カントリーの側道に降り立ち、右に行く。 道端にはタマアジサイ、ツリフネソウ、キンミズキなどが咲いている。ところどころ草原のようなようなところには、ヨメナ、ワレモコウ 、オミナエシなど咲いている。最も多いのはタマアジサイであった。タマアジサイは一斉に咲かずにホツリボツリ咲くようで 花期が長いのはいいが、華やかさがないのが惜しまれる。側道は平坦と思ったら、わずかに登りで、疲れてきた足には結構こたえる。左に大岩のごろごろした涸れた川 が現れると、間もなく湖尻水門に至り、左折して駐車場に向かう。


(地図・ガイド)
・昭文社 山と高原地図 「箱 根」

(特記事項)
・外輪山で野草の花が見られたのは湖尻峠と黒岳の間だけでした。
・1044.9mのピーク付近から長尾峠方面、ブナなど広葉樹の森が美しく、紅葉の時よさそうです。

(コースタイム)
・芦ノ湖キヤンプ村入口(P)8:03---湖尻新橋8:12---深良水門8:43〜52---湖尻峠9:21---黒岳10:14〜27---芦ノ湖展望公園10:37--- 富士見ケ丘公園11:12---1044.9mピーク三角点11;32---長尾峠駐車場分岐12:01---仙石原・湖尻分岐12:10---長尾峠茶屋跡12:17〜39--- 箱根カントリー側道13:19---湖尻水門14:12---芦ノ湖キヤンプ村入口(P)14;20




芦ノ湖西岸遊歩道のヨメナ





深良水門から湖尻方向





アシタカマツムシソウ





黒岳山頂付近からの芦ノ湖と駒ケ岳・神山





ハンゴンソウ





ブナの森





長尾峠茶屋跡からカルデラを望む


SONY Cyber-shot DSC-RX100 にて撮影