A.山歩き/2.山紀行/・・天城・上り御幸歩道


復旧した 天城・上り御幸歩道を歩く



上り御幸歩道のブナの巨木

八丁口〜(林道)〜青スズ台〜八丁池〜(上り御幸歩道)〜天城峠〜水生地下(P)('09-05-01 歩く)
友人から上り御幸歩道が復旧した、と聞いたので、水生地下駐車場に車を置いて八丁口までバスで上がり、芽吹きのブナ林の撮影を兼ねて上り御幸歩道を歩いてみた。
昨年秋は八丁口から林道を上がり、途中の「近道」(コルリ歩道)を通る林道ショートカット道を選んだが、今回は林道を道なりに行った。 これがブナの巨木、ヒメシャラ、アセビが続きいい道であった。また、復旧なった上り御幸歩道は、わさび田と向峠 の天城峠側の巻き道が崩壊して、いずれも尾根に一旦上がって迂回して元の道に戻る新しい尾根道となっていた。これがブナやヒメシャラの巨木もある道となり、元の巻き道より景観的に良くなったのではないかと思う。 これからの新緑、秋の紅葉はお勧めである。

今回は、八丁口から近道(コルリ歩道)分岐までつまらないので、ウグイス歩道を行こうかと思っていた。 ウグイス歩道入口を探しながら林道を上っていくが見付からないので、結局、林道をそのまま行ってしまった。 そして、近道(コルリ歩道)分岐を見送り、まだ通った事のない林道の先へと進む。
すると、ヒメシャラの林立、アセビとブナの巨木のコラボレーションなどすばらしい光景が次々と現れる。余り期待していなかっただけに、天城の森の豊かさと奥深さに感動する。 しかしながら、今回も写真を写すといまいちである。ごちゃごちゃして、目で見た風景とまったく違い写真力の未熟さを痛感する。
しばらくいくとウグイス歩道が合わさる。ここまで、いい光景であったので、ウグイス歩道を通らなくて良かった、と思ったが、いつかウグイス歩道も見てみたいものだと、少し欲張り心を起こしながら先を行く。この寒天林道のヘヤーピンカーブは 相当長い。普通なら歩かせるなぁ〜と思うところであるが、今回はすばらしいブナ林が続き得した気分となる。
野鳥の森の看板の所から青スズ台へと上って行くと、小鳥がさえずり、まだ、芽吹きには早いブナの高い林立が空を覆っている。 写真を写し写し登って行く。やがてアセビのトンネルをくぐり抜けて登って行くと マメザクラの咲く青スズ台に着く。眼下は新緑と思ったが、まだ僅かにマメザクラの点在する新緑への過渡期の風景であった。
小休止後、八丁池の方へ下っていく。オオカメノキ(ムシカリ)の白い花がブナに寄り添い、ブナの梢は淡褐色に染まり、もうすぐ開葉の時を迎えるようだ。林道に出て、トイレのあるところから展望台を往復する。その後、樹間から八丁池を見下ろしながら池へと向う。 八丁池で昼食の後、八丁池の北のブナ林をのぞいてみるが、まだ、芽吹いていなかったので、早々に写真を切り上げ、今日の目的でもある上り御幸歩道に向う。
曲がりくねったアセビの古木の林の間から時々マメザクラが見える道を下っていく。やがて勾配も緩み、広い谷間のヒメシャラとブナの巨木(上の写真)の混じ るブナ林の道を行くようになる。 林床の潅木が芽吹いてブナやヒメシャラの丈の中間付近に淡いグリーンベルトを漂わせて実に美しい。この時期ならではの光景である。おおよそ、このような風景が水生地歩道経由水生地分岐あたりまで続く。
この分岐を見送り、しばらく行くと、右の谷が深くなり、潅木の向こうに尾根が見え隠れする。 さすがに、標高が下がってきたので、梢越しに見える右の尾根には黄緑のこんもりしたブナの新緑が点在し美しい。やがて、山道は左のピークを巻くように行く。所々、山道が崩壊したところに新しい桟道が設けられている。
しばらく行ってまたブナの大木やヒメシャラが増えてくると、右下にわさび田が見えてくる。 そして、わさび田の源流で巻き道の旧山道は通行止めになり、迂回路が左上に上がり沢を渡って枝尾根を越えてゆく。ブナの高木の林立するところで雰囲気がいい枝尾根である。下って旧山道と合わさり、また巻き道を進んでゆく。水生地への山道が右に下っているが、見送って、 真っ直ぐ天城峠へと向う。
この辺からところどころブナの美しい道が続く。30分弱行くと峠道のない向峠というところに着く。そして、道標に 従って崩壊地を回避して左上の尾根へと登って行く。 5分も登るとアセビ、ブナの多い尾根に乗る。早いシャクナゲ一株が咲いている。 右手にはつぼみを一杯つけたシャクナゲの木もあった。
広く明るい良い雰囲気のアセビ、ヒメシャラ、ブナの尾根道を行く。途中、右手が開けたところにベンチもある。 さらに進むと、今まで、見たこともないようなヒメシャラの巨木が現れる。そして尾根を下るところにブナの立派な巨木が立ちはだかっている。今回歩いたコースで一番の巨木ではないかと思う。丸太杭にロープの通された柵が下り斜面の山道に設けられ、良く整備されている。
やがて、旧山道と合流し、7,8分も行くとブナの巨木の立つ天城峠に着く。ここから右に15分ほど下ると旧天城トンネル入口に降り立つ。水生地下には旧天城峠道を道なりに行ってもいいが、トイレの先から新天城トンネル入口へ下る道を行くと極めて近かい。 新天城トンネル入口に降り立つと水生地下駐車場までは5分ほどであった。

( マップ・ガイド )
・昭文社 山と高原地図 「伊豆 天城山」2009年版
IZU NET

(コースタイム)===写真を写しながらののんびりコースタイムです===
水生地下バス停9:05==八丁口バス停9:33--近道9:50--野鳥の森看板10:20--青スズ台10:52〜11:00--林道11:11--展望台11:18〜20--八丁池11:35〜12:02 --上り御幸歩道入口12:14--コマドリ歩道入口12:48--水生地歩道経由水生地分岐13:02--わさび田迂回新道入口13:58--藤が沢経由水生地分岐 14:09--向峠14:36--迂回新道入口14:38--新道ベンチ14:53〜56--ヒメシャラの巨木15:00--ブナの巨木15:04--天城峠15:22--天城旧トンネル 15:38〜41--新天城トンネル15:51--水生地下駐車場15:56



寒天林道




青スズ台から




八丁池




上り御幸歩道のアセビの大木




上り御幸歩道のブナとグリーンベルト




上り御幸歩道




上り御幸歩道、新尾根道のヒメシャラの巨木




上り御幸歩道、新尾根道のブナの巨木


Canon EOS kissDX / EF-S17-85 IS USM にて撮影

( END )