A.山歩き/2.山紀行/・・富士山・御殿庭home


富士山・御殿庭




三辻下のカラマツ林


水ケ塚〜御殿庭下〜幕岩〜水ケ塚(2013-10-03歩く)
10月に入って標高2000m位はそろそろ紅葉が始まっているだろうと思う。2000mクラスの山はいずれもわが家からは遠く、気楽に行けるのは富士山の五合目付近。 昨年はお中道を歩いた。今年はどうしょうかと地図を見回す。山歩きを再開したころ頻繁にいっていた御殿庭に行ってみることにする。御殿庭付近は1996年の台風17号 で木々がなぎ倒され、山の様子が一変した。それからは行っていない。どう変わったか、水ケ塚を起点に幕岩周りの周回ルートを設定して歩いてみた。

今日の御殿場の天気予報は18時頃から雨で、それまでは晴れとある。15:00頃までは降りてくるので雨具は折りたたみの傘だけとした。水ケ塚の駐車場に車を置いて、 本当に久しぶりの須山口登山道に入ってゆく。しばらく笹とシラビソの森の緩やかな登りの道が続く。溶岩のごつごつした道を一旦下ると、林相が変わり、 シラビソ、モミノキ、ダケカンバ、ブナなどが混じる高木の豊潤な森となる。森の中では気の早い葉っぱが真っ赤に輝き、ダケカンバや蔦の葉っぱが透過光で 黄色や赤味を帯び、秋の到来を感じさせる。

約一時間ほど歩くと、標高1600mの幕岩分岐に至る。このあたりで紅葉が盛りなら、ここから幕岩に行くが、 今はもっと標高を稼がねば紅葉にありつけないので、幕岩への道を見送ってまっすぐ須山口登山道を御殿庭目指してゆく。すぐ美しい苔の絨毯の広がる針葉樹の窪地の疎林帯を行く。 ここを過ぎるといよいよ本格的な登りとなり、やがて左の涸沢を渡り、右岸の道を急登してゆく。

このあたりはテンニンソウの群生地と思っていたが、今は台風による倒木で明るくなり、ヨメナの群生地になっていた。 ここから倒木帯を急登してゆく。シラビソやカラマツ、ダケカンバの幼木が独り立ち始め、また、倒れたダケカンバの幹から垂直に幹が数本立ち上がっているのも見受けられ、 逞しい生命力を感じる。そして、気の早い木の紅葉もみられた。さらに行くと道標が見えてきて、密集した若いシラビソの林の道を登ってゆく。やがて見覚えのあるガラン沢分岐に着いた。

とうとう雨がパラパラと落ち、予想より早く雨になってきた。急いで御殿庭下に向かう。5分も行くと、三叉路の案内板の立つ御殿庭下に着いた。 世界遺産になったせいか、立派な案内板には他国の言語も付記されている。周りは薄暗くなり、今にでも本格的な雨になりそうなので、小休止して 御殿庭入口に向かう。シラビソやカラマツの林の道をトラバース気味に行くと、目の前が明るくなり、ガレの手前の御殿庭入口に達した。

ここからは火山礫の道をゆく。ガスってきたが目印の白いペンキの石がところどころにあり心強い。ガスに煙る少し黄葉してきたカラマツやオンダテ、ダケカンバなど、秋の 風情を楽しみながら行く。やがて、幕岩に下る三辻に至る。右折して前よりずいぶん大きくなった林立のカラマツ林を下ってゆく。涸沢を渡ってカラマツ林の道を更にゆくと、やがて、 道標の立つ幕岩上に着く。丁度昼であるが雨がパラパラしてきたので、素早く軽食で済まし、先に進む。 ここからはシラビソの混じる広葉樹の高木の豊潤の森が続く。蔦や山ブドウの葉っぱが透過光で黄色や赤にステンドグラスのように透けて見え、秋の装いの迫ってきているのを知らせてくれる。

やがて、須山御胎内上に着き、右に水平道を水ケ塚へ進んでゆく。笹やシラビソの道かと思ったら、広葉樹が結構多く、ガスに煙り、幻想的で、最後の最後まで楽しませてくれた。 秋たけなわの紅葉の頃、もう一度来てみたいと思うほどであった。 


(地図・ガイド)
・昭文社 山と高原地図 「富士山」
富士山自然休養林歩道案内図 

(コースタイム)
・水ケ塚(P)7:48---幕岩分岐8;51〜55---ガラン沢分岐10:47---御殿庭下10:51〜56--- 御殿庭入口11:14---小天狗塚11:32---三辻11:44---幕岩上12:02〜14---須山御胎内上13:03---水ケ塚(P)13:57




水ケ塚〜幕岩分岐





水ケ塚〜幕岩分岐





幕岩分岐〜ガラン沢分岐





幕岩分岐〜ガラン沢分岐





幕岩分岐〜ガラン沢分岐





御殿庭入口〜三辻





御殿庭入口〜三辻





幕岩上〜須山御胎内上





須山御胎内上〜水ケ塚


Sony DSC-RX100 にて撮影