A.山歩き/2.山紀行/・・鎌倉・祇園山から衣張山home


鎌倉・祇園山から衣張山
(釈迦堂・名越切通し)




祇園山にて


鎌倉・祇園山から衣張山(2011-03-25歩く)
3/11に東北関東大地震が起きて、計画停電、ガソリン不足などが続いている。車での山歩きは自粛して、近場の山を電車で行って歩くことにする。歳とって体力がなくなったら歩こうと思っていた近場も随分歩いてしまった。残っていた鎌倉の祇園山と衣張山を組み合わせて歩いてみた。

鎌倉駅前の若宮大路を八幡宮の方へ行き、清川病院の角を右折する。突き当たって左折して少し行くと、「東勝寺跡」方面の道標が立っている。そこを右折して山の方へ静かな住宅街を緩やかに上って行く。 途中、橋の上から川を見ると、丁度、椿の花の時期、沢山の椿の落花が河床を赤く染めている。空き地の東勝寺跡を左に見て上がってゆくと、「祇園山ハイキングコース」の案内板が立っていて、いよいよ山道のハイキングが始まる。
林床に大きなシダが群生している照葉樹の多い斜面が迫る。そこを大きく稲妻型に上ってゆく。足元にはスミレが咲き、シダやマムシ草も芽吹きだし、モミジも葉っぱを開きかけ、春の息吹の鼓動が聞こえてくる。 やがて尾根に乗り、縦走してゆく。小さなアップダウンを繰り返す山道脇斜面には大木が立ち、 こんな街の近くにこんな豊かな自然があるとは、と驚かさせられる。やがて照葉樹の中に椿が混じってくると、道標が見えてきて右から妙本寺 からの道が合わさる(妙本寺の案内は道標にはない)。
このあたりから山道が所々椿の落花で染まっている。今年は椿の花の当たり年なのだろうか、それにしても椿の多い尾根である。そして時々現れる大木が深山を思わせるような雰囲気を 演出している。いつまでも続いてほしいと思うがまもなく八雲神社分岐に着く。先に見晴台があるようなので行ってみる。 見晴台は由比ガ浜方面が開け、その反対側は椿の花で囲まれている。分岐に戻り、八雲神社に下り、車道に出て、左、左と行くと、逗子から鎌倉に通じる県道311号線にでる。少し行くとローソンが見えてくる。 その先の交差点(添付マップA点)を左折し、釈迦堂切通しへと向かう。
最初、道は真っ直ぐであるが、そのうち右にカーブしながら川沿いに行く。やがて、道標の立つY字分岐(添付マップB点)となる。ここは 道標の釈迦堂切通し方面にしたがって左に行く。真っ直ぐ行くと、まもなく釈迦堂切通しに着くが、崖崩れのため立ち入り禁止で、道は工事用のフエンスで塞がれていた。 早々に金網越しに写真を写し、衣張山への道を探しながら戻る。いつのまにか道標の立つY字分岐(添付マップB点)まで戻ってしまった。
衣張山の登り口はどこかと地元の人に聞いてみたところ、釈迦堂切通しの方に戻って、先のY字分岐を右に入って行くと屋敷の広い民家の前に山に入る道があるとのこと。 釈迦堂切通しの方に戻って少し行くと、右斜めに分ける道(添付マップC点)が現れる。電柱には「大町6丁目7」という住所プレートが取り付けられている。ここを右に行ってみると、車道が左にカーブしながら登りになる手前左にコブシの咲く平屋建ての旧家が建ち、その前すなわち右に山道があった(添付マップE点)。
山道はじめじめして薄暗くあまりいい道でないが我慢して登ってゆく。だんだん高度が上がるにしたがっては明るくなり 展望も開けてくる。そして、衣張山の手前の120.1mの三角点のピークに飛び出す。このピークは展望抜群で、晴れていれば富士山も見えそうだ。広場にはお地蔵さんがあり、スイセン、ハナニラが咲いていた。小休止の後、衣張山に向かう。一旦下って登り返すとあっという間に衣張山に着いた。 ここも先ほどの三角点と同様、海と富士山方向が開けている。
丁度昼も近くなったので昼食をとり、その後、名越切通し方面へと向かった。 先ほどの三角点のピークから照葉樹の尾根をアップダウンを繰り返しながら下り、最後に左に大きく斜面をトラバースして下ると、思いがけずトサミズキ咲く雑木林のT字路に降り立った。右に行くと、そこは鎌倉逗子ハイランド西端の高台であった。西は遮るものなく、「関東の富士見百景」であった。あいにくこの日は曇っていて見えなかったのは残念である。 西端の道を行くと、正面が「鎌倉市子ども自然ふれあいの森」であった。
道なりに行って、お地蔵さん(添付マップH点)のところで右へ森に入って行く。少し行くと、二箇所ほど分岐となるが「名越切通し」方面へ進む。道は照葉樹の尾根道に変わり、一箇所ふかふかしたおが屑が敷き詰められた見晴らし台のようなところも通る。 左が切れた尾根道を進むと前方に洋館の屋根が見えてくる。更に道なりに行くと「市指定 石造建造物石廊」なる石碑が現れ、先ほどの洋館の塀に沿ったT字路に突き当たる。 道標には左は法性寺、右は名越切通・まんだら堂やぐら群とある。ここは右に行く。
祇園山の照葉樹の森の椿はすばらしかった。しかし、植生が変わったのか衣張山からここまでの道々の照葉樹の森には椿は一本もなく、本当に不思議だと思っていた。ところがこの洋館から椿の多い照葉樹の森となった。照葉樹の大木の枝々が空を覆い、椿が大木の幹の周りや地面に彩りを添え、小鳥も囀っている。 まるで熱帯雨林の森のようだと思いながら進むと、おが屑が敷き詰められ、杭にロープの通された柵の道が下に向かって伸びている。 史跡名越切通しとして新しく整備されたようである。
下りきった広場は明るく暖かく、弁当でも広げるのに良い所であった。そして、直ぐ先の左に新しく作られた鉄柵で囲まれた石碑があった。 中で作業している人がいたので聞いたところ無縁仏とのことであった。この鉄柵に沿っていくと、薄暗い照葉樹のトンネルの掘れた分岐道(添付マップM点)に突き当たった。そこには道標と標柱が立っていた。道標には左名越切通・まんだら堂、右鎌倉市大町とあり、標柱には「国指定史跡名越切通」とあった。
両側岩壁に覆われた道、これが名越切通し?? もっとあるに違いないと左に行ってみることにする。通行止めになっているまんだら堂への登り口とその先の右下に下る小坪への道を見送ると、写真で見たことのある岩をくりぬいた迷路の入口のような名越切通しがあった。そこを抜けていってみたところ、名越切通しの説明看板が 立ち(添付マップK点)、先は住宅街となった。散策はここまでとし、標柱名越切通へ引き返した。
ここから鎌倉市大町方面に杉林とシダの掘れた 道を下る。やがて開けて左眼下に横須賀線が見えて来る。線路沿いの坂道は日当たりが良いために、空き地や民家の庭先のタンポポ、オオイヌノフグリ、ハナダイコン、黄スイセン、ムスカリ、レンギョウなどが花盛りで、春爛漫であった。


(地図)
祇園山・衣張山付近マップ---緑および赤点線が歩いたコースです。

(コースタイム)
・鎌倉駅8;57--東勝寺跡9;13--妙本寺分岐9;48--八雲神社分岐(見晴台往復)10;04〜11--八雲神社10;17--釈迦堂切通入口10;37--釈迦堂切通10;44 --衣張山登山口入り口(添付マップC点/入り口探しのロスタイム含む)10;57--衣張山登山口11;00--120.1mの三角点11;15〜22ー衣張山11;27〜43--鎌倉逗子ハイランド手前T字路11;59 --洋館T字路12;23--標柱名越切通(名越切通案内板往復)12;43〜13;00--県道311号線踏切13;15--鎌倉駅13;37

(特記事項)
・祇園山と名越切通付近、椿が多くすばらしい。桜のころもよさそうである。ただし、車道歩きがあるのが難点。


東勝寺跡手前の橋から





祇園山にて





衣張山山頂





洋館の屋根が見えてきた





名越切通付近の椿の大木





名越切通し


LUMIX DMC-LX3 にて撮影