A.山歩き/2.山紀行/・・富士山宝永火口から水が塚home


富士山宝永火口から水が塚





宝永第二火口


富士山宝永火口から水が塚(2015-07-29歩く)
夏になると富士山五合目の各登山口までの道路、すなわち、富士スカイライン、ふじアザミライン、富士スバルラインは一般車通行止めとなり、 代わりにシャトルバスが運行される。今回、富士宮口の水が塚からのシャトルバスを利用して富士宮口五合目まで上がり、そこから宝永第二火口を経て水が塚まで下った。

シャトルバスは水が塚駐車場から40分ほどで富士宮口五合目バス停に到着する。宝永第一火口へ登るルートもあるが、 今回は平坦な山道の宝永第二火口へのルートを行く。最上部駐車場からUターンして下る東端が宝永第二火口への遊歩道入口である。 今にでも雨が降りそうな天気で、駐車場からいつもなら雲海が見えるがガスっている。しかし、木々の写真を写すには幻想的でしかもしっとりして好都合である。

五合目から宝永第二火口まではほゞ平坦で、カラマツ林、ダケカンバ林、ヤマハンノキ林などの道を行き、二か所ほど溶岩のガレ場 を横断する。ガレ場にはオンダテ、草地にはクルマユリ、カラマツ林の林床にはシロバナイチヤクソウが咲いている。森は霧に煙り、身体も霧に包み込まれ自然と一体のような 感覚で幻想の道を行く。やがて、第二火口縁に着くが、ほとんど視界が効かない。右に水が塚の方に礫砂の火口縁の道を下ると、 第二火口の下端(mapの山体観測装置)に道標が立ち、まっすぐ水が塚、左双子山とある。以前、富士山自然観察会で見たことのある 第三火口の斜面に広がるオンダテのお花畑を見ることにして、左の二子山の方に、第二と第三火口の境の尾根を下る。

ラッキーなことに、わずかの時間であるが、ガスが切れてきて、第二火口、赤岩などが見えてきた。 いつも思うがまるで月世界のように荒涼とした火口壁で、迫力あり、そこにオンダテの丸い塊がパッチワークのように散りばめられ彩りを添える。 この後、ガスが流れてきて、第三火口の幻想のお花畑散策となる。礫砂の斜面に塊となって咲く赤やクリーム色のオンダテ、その中に黄色のキオンが彩りを添える。 時にはガスった斜面にホタルブクロがぼっんと健気に咲く。火口底の方を見るとカラマツの幼木が育ちだし、霧に見え隠れする。

いつまでもお花畑が続いてほしいと思うが、やがて霧の中に道標が現れ、mapの御殿庭上となる。ここで右に曲がって、水が塚の方に 行ってもいいが、今回はまっすぐ二子山の方に向かい、mapの御殿庭入口で右に曲がり、水が塚に行くことにする。 森林限界のカラマツの林の疎林の道を行く。カラマツ林が密になると勾配が急になる。左に涸れ沢が見えてくると間もなく mapの御殿庭入口に至る。ダケカンバ、カラマツ、シラビソ、コメツガ、などの高木が霧に煙っている。

ここから右にカラマツ林の古木の道をトラバース気味に行く。林床にはミヤマハナゴケが多い。しばらく行くと 道標と案内板の立つ、mapの御殿庭下に至る。ここは何回も水が塚から登って来ている懐かしい場所である。ここで昼食を取り休憩しながら、シャクジョウソウやサルオガセを写す。 少し行くと、ガラン沢と水が塚の分岐となり、水が塚へ左にシラビソの道を下ってゆく。やがて十数年前の台風で倒れたシラビソ、コメツガの倒木地帯を下るようになる。 既に幼木が育ち、日当たりの良いところにはヨツバヒヨドリ、アキノキリンソウなどが咲いている。左の涸れ沢を渡り、高木の樹林帯を行くと、 幕岩分岐に至る。ここからは掘れた高木のシラビソ、コメツガ樹林帯道をしばらく行く。少し登ってモミの木が増えてくると水が塚駐車場はもう目の前である。


(地図・ガイド)
ルートマップ(map)
・昭文社 山と高原地図 「富士山」

(コースタイム)
富士宮口五合目駐車場東端9:10---第二火口縁9:48---第三火口分岐(mapの山体観測装置)9:55---御殿庭上10:45---御殿庭入口11:21--- 御殿庭下11:43〜12:10---幕岩分岐13:46〜53---水が塚14:38



富士宮口五合目〜第二火口縁、ダケカンバ





富士宮口五合目〜第二火口縁、シロバナイチヤクソウ





赤 岩





第三火口





第三火口





第三火口、オンダテとキオン





御殿庭上付近





御殿庭下、シャクジョウソウとミヤマハナゴケ





倒木地帯





幕岩分岐上の高木の樹林帯


Canon PowerShot G1XU にて撮影