A.山歩き/2.山紀行/・・仏果山home


土山峠から仏果山



仏果山最後の登り途中から振り返る

土山峠から雪の仏果山を歩く('10-01-13)
仏果山、20年も前、山を再開した頃、半原越えから往復した。その後、宮ケ瀬湖畔側からの登山道ができ、急な直登だけではつまらないと敬遠していた。 丹沢の昭文社の地図も古くなって、一昨年新しいのを買った。それには土山峠からのコースのところに"林相が美しい"というコメントが追記されている。これは歩く価値がありそうだと 思い、そのうちヒルの活動しない時期に歩いてみようと思っていた。

前日降った雨が山では雪になったようで、宮ケ瀬湖へ向う車から見える大山や丹沢の奥の峰々は白く化粧していた。 もしかすると仏果山も雪があるかもしれないとうきうきしてくる。今回は、宮ケ瀬湖畔の仏果山登山口の駐車場に車を置き、土山峠まで湖畔沿いの車道を歩いて行って登りだす周回ルートの計画である。
宮ケ瀬湖畔の駐車場に車を置く。 ビユービユーとつめたい風が吹きすさび、湖面は白波が立っている。向かい風なら、まずは近くの仏果山登山口から登ろうかと思ったが、幸い追い風である。予定通り土山峠に向う。 峠まで約30分である。土山峠バス停の先から土止め階段を登って斜面に取り付く。寒風が杉林でうなりをたてながら頬を打つ。冷たさを越えて痛いくらいである。勾配が緩むと自然林が現れるが、また、 杉の植林帯に入り、犬の声がする。少し行くと、思いがけず林道に飛び出す。そこには軽トラが止まっており、中年男性が猟の準備をし、その廻りを猟犬が走り回っている。
ここはすぐ林道を横断して向かいの斜面に取り付くが、林道に引きこまれ易いようで、注意のプレートがくくりつけられている。杉林の土止め階段をしばらく急登してゆくと、コナラの自然林のトラバース道にでる。 ここらあたりからが「林相が美しい」というところのようで、風がなかったら明るく好ましい陽だまりの山道という感じである。上に上がると薄っすらと雪が現れ、ピークのテーブルのあるあたりから裏側の谷間は真っ白である。
ここからは左前方上に仏果山への高い尾根を見ながらの好ましい緩やかな登りの尾根歩きである。尾根がやや痩せて椿が多いところを通過すると、今度は、右後ろに光る相模湾が見えたりする。 そして、やがて小さな鞍部を過ぎ急登すると、「仏果山1.4km・半原越1.0」道標の立つピークに達する。ここより山道はやや左に方向を変え、植林帯の道を登って行く。
やがて、見晴らしの良い革籠石山にとびたし、ここもやや左に 方向を変え植林帯の土止め階段を登って行く。植林帯の終わりを告げる鹿除けの網戸をくぐると、いよいよ雪の多い尾根道となる。10分ほど雪化粧の樹林の尾根を行くと、山岳的雰囲気のする仏果山への痩せ尾根歩きが始まる。トラロープのある岩の痩せ尾根のアップダウンを繰り返して行く。 もう、次だろうと思うが、又、先にピークがあるという風に結構アップダウンが続く。風は相変わらず強いが、登り初めよりは弱まって、痩せ岩尾根でも危険を感じる程でなかったのは幸いであった。鹿除け網戸から35分ほどかかってやっと山頂に達した。
山頂には、革籠石山への登りで出会った5名のパーテイの足跡があるだけで、誰も居なく、寒風がヒューヒューと梢を鳴らしている。幾分風の遮られる山陰のベンチで小休止した後、トラロープにつかまったりしながら宮ケ瀬越へと下る。 地形の関係だろうか、痩せ尾根より風が強い感じで、安まる間がない。そんなことで宮ケ瀬越からの高取山往復はパスして直接宮ケ瀬湖に下ることにする。
モミの木の大木の点在する好ましい広い尾根を下ってゆく。ようやく太陽光発電パネルのあるところに来て風も遮られ陽だまりスポットとなった。ここで休んで、かじかんだ手や頬が暖まり、生き返ったような心地であった。 ここからまたもや定番の杉や檜の植林帯の道くねくねと延々と下ってゆく。今朝の白波からきらきらと光る湖面へと変わった宮ケ瀬湖が見えてきて今年初体験の雪の山歩きを終えた。

( マップ・ガイド )
・昭文社 山と高原地図 「丹沢」 2008年版
・1/25000 地形図 国土電子ポータル仏果山付近

(コースタイム)
宮ケ瀬湖仏果山登山口駐車場9:55--土山峠の仏果山登山口10:27--林道10:40--自然林のトラバース道10:55--テーブルのある平らなピーク11:04--「仏果山1.4km・半原越1.0」道標11:32 --革籠石山(仏果山1.4km)11:45--鹿除け網戸12:07--仏果山12:42〜54--宮ケ瀬越13:20--太陽光発電パネル13:37〜46--宮ケ瀬湖仏果山登山口駐車場14:25



土山峠上の自然林のトラバース道




椿咲く尾根道




仏果山の一つ手前のピーク




仏果山山頂の宮ケ瀬越への分岐




宮ケ瀬越手前の尾根




モミの木の大木の立つ下りの尾根道




大分下って


LUMIX DMC-LX3 にて撮影