A.山歩き/2.山紀行/・・房州アルプスhome


房州アルプス




ノジギク咲く房州アルプス展望テラス


房州アルプス(2010-11-25歩く)
今年も紅葉が里山に降りてきて、紅葉の里山、どこを歩こうかと思う。昨年、房総の「梅ケ瀬渓谷」を歩いてみて、房総はモミジのきれいなところが結構あることを知った。今年も房総の紅葉のよさそうなところを歩いてみることで ガイドブックを調べたところ、房州アルプスが目にとまった。名称に引かれたのと、略図をみると登山口付近の県道が「もみじロード」とい名前になっていたので歩いてみることにした。

アクアラインを通って館山道に入り、水仙の鋸南保田ICで降りて、34号線を鴨川の方に向かい、横根峠からもみじロードの182号線に左折して入ってゆく。 名の通り真っ赤なモミジが多い。房州アルプスの山並みは182号線と平行しており、周回しようとするとこの車道を縦走したぶん歩いて戻らねばならない。それがネックと思っていたが、結構、 モミジも多く、これならモミジを愛でながら戻れば苦にならないと思う。
さて、どこに車を置くか。歩かねばならない車道を一通り車で走ってみた。下山口の山中公民館付近の空き地、滝のある東郷橋のすぐ先の地蔵堂、登山口の鹿原林道入口の空き地が候補である。 車道を通しで歩くと約1.5時間はかかる。長いので今回は車道途中の東郷橋地蔵堂とした。

東郷橋地蔵堂からモミジや周りの風景を眺めながら20分ほど行くと、鹿原林道入口となり、左上に舗装された林道を登ってゆく。山を削って作った林道なので一方は土壁でほとんど見るべきものはなく、 ただただ稜線までの高度を稼ぐためのアルバイトである。林道入口から15分程上ると開けてきて「親和の丘休憩所」というところに至り、眼下に紅葉の山に囲まれた小さな集落が見られる。
そろそろ房州アルプス入口かなと思うが、 ここから意外に長い。途中、山林が時々途切れると右眼下に絵のようなのどかな山村風景の鹿原集落が見られる。 また、シイの木であろうか、照葉樹の純林が現れ、林立の間から無数の木漏れ日が光る。それから少し行くとT字路となり、左側に「房州アルプス」という道標が立っていて、ここからいよいよ房州アルプスが始まる。
と、いうことであるが、雑木林の薄暗い林道の廃道のような道を行くことになり、アルプスという感じでない。しかし、数箇所右側が開け、紅葉の山並みの上に薄っすらと富士山が浮かんで見られたのが救いである。 やがて、分岐点に出る。道標があり、左、県道・山道・林道とあって、いかにも左のような掲示である。ここはまっすぐの山中・梨沢方面に行く。この分岐点には、工事現場でみかける足場のスロープが左上の小ピークに向かって設けられている。 ガイドでは愛宕神社があるとあったので上ってみた所、小さな祠があった。
この先の尾根には岩の小ピークが多いが、山道は岩の側面を削って平坦に伸びており、ほとんどアップダウンはない。道にはノジギクがいたるところに咲き、赤松も増え、 以前住んだことのある姫路付近の山に似ている。やがて緩やかに登り岩のあるピークに達した。そこは左側が絶壁でノジギクの咲く岩のテラスであった。紅葉の山々を見渡せる絶好の休憩スポットである(上の写真)。5分も行くとまた同じような所に達したが 展望は手前の方が良いのでパスして先に進む。
さらに少し進むとピークが見えてくるが、山道はピークの左側を削ってフラットに進んで行く。ピークの起点にはピークに登る踏み跡があり、さらに先に進むとその踏み跡がピークを越えて下って来ていた。 こうまで見せられると、登らないわけにはゆかない。ザックを置いて登ってみた。2,3分で狭いピークに達した。周囲の紅葉の山々が見渡せられる360度の展望ピークであった。 しかし、遠くが霞んでいて同定のヒントになる海や富士山は見えなかった。
好ましい並木のある少し狭い尾根を行くと、初めてピークに向かってジグザグと登る。そして林相がガラリと変わり、シイなどの照葉樹の森となる。深緑の照葉樹の天井にステンドグラスのように はめ込まれた広葉樹の紅葉が実に美しい。しばらく照葉樹の森のフラット道を行くと、ジグザグと下りだす。下りきって大木の立つ照葉樹の狭い尾根道を過ぎると尾根の左側を巻いてゆくトラバース道となる。時々左側が開け、紅葉の山を眺めたりしながら行くと、やがてY字分岐となり、 赤テープの巻きつけられた右斜め前方に進む。
そうすると美しいマテバシイの純林の道となる。規模は少し小さいが、あの花嫁街道の鳥場山のマテバシイの純林以来の出会いである。写真を写しながらゆくと、先がぽっかりと開け、房州アルプス終点の内台集落のみかん畑にでた。 まだ、昼には早いが、房州アルプスの道標のある農道脇で、眼下に里山の紅葉を眺めながら昼食をとった。その後、農道をのんびりと下る。登る時の鹿原林道と違って、畑や田んぼ周りの雑木林の紅葉や集落の山村風景など、 実にのどかで美しく、楽しみながら下った。
もみじロードに出た所は山中公民館の少し北側のところで、駐車スペースもあり、簡易トイレも置かれていた。そばの川は志駒川渓谷とよばれているようである。もみじはきれいであるが、コンクリート壁の護岸工事されたところもあり、被写体としては今一つであった。 道中の周りの里山の紅葉は、黄色や赤褐色などの広葉樹の紅葉に緑の照葉樹が点在する独特の色彩の紅葉風景できれいであった。東郷橋地蔵堂までは緩やかな登りとなっており、くたびれたところにはつらいが、周りの紅葉風景に元気をもらい、無事ハイキングを終えた。


( マップ・ガイド )
・山と渓谷社 「千葉県の山」
マップ

(コースタイム)
東郷橋地蔵堂(P)7;56--鹿原林道入口8;14--北側房州アルプス登山口8;57--愛宕神社祠・県道分岐9;15〜20-- 岩のテラス932〜38--展望ピーク9;50--マテバシイ純林10;36〜46--南側房州アルプス登山口10;53〜11;24-- もみじロード12;00--東郷橋地蔵堂(P)12;49



地蔵堂ノ滝





鹿原の集落





薄っすらと富士山が見えた





岩のテラスから見た紅葉





岩場に咲くノジギク





照葉樹の森の天の窓





マテバシイの純林





内台集落の紅葉





もみじロード風景





もみじロードから見た房州アルプス


Canon EOS kissX / EF-S17-85 IS にて撮影