秩父・四阿屋山
(あずまやさん)

福寿草とセツブンソウを見てきました


四阿屋山山頂から雪の両神山を望む

< 写 真 集 >


四阿屋山 ('05-03-08歩く)
雪がまだ残っている頃の早春の花というと福寿草とセツブンソウである。秩父の四阿屋山の麓・堂上の保護地のセツブンソウが咲き始め たというので出かけてみた。 できれば登山道の脇にひっそりと咲いているのと出会えないかと期待して出かけた。
自宅から厚木を経て129号線、 16号線、あきる野市の圏央道日の出ICから入間IC、さらに飯能市、秩父市を経て、両神村の道の駅薬師の湯へと向かった。 途中、採石のために荒々しく削られた武甲山の雪の絶壁が朝日で純白に輝いているのが印象的であった。 このぶんだと四阿屋山も大分雪が多く、山頂付近の岩場あたりは厳しいかもしれないと思う。
道の駅の駐車場に車を置いて 両神神社の脇の舗装道路を通ってトイレのあたりから薬師堂コースに入ることにする。しかし、いのしし除けの電線バーリア で菖蒲園が囲われ、遊歩道は通行できない。仕方ないので舗装道路を先に進む。100m位進むと、あずまや山、ロウバイ園、 福寿草園、と書かれた小さな道標があり(添付略図-A)、左下に下りてゆく。
川を渡り、薄暗い杉林の中を登って行く。踏み固められた 雪が凍結してつるつるすべる。そのうちコナラの自然林の道となる。道は保護柵沿いになる。福寿草自生地に付き立ち入り禁止、と 言う様な意味の看板があるが、あたりを見回しても福寿草もセツブンソウも見えない。園地の遊歩道が交差しており、分岐点がいたると ころにある。しかし、道標はしっかりしており、ただひたすらに「あずまや山」方向の標識に従って登って行く。北斜面なので残雪多く、 つるつるして歩きにくいが、アイゼンは我慢して木につかまったりしながら、そのまま登って行く。そのうち自然林の冬枯れの間から 前方に四阿屋山が見える。しかし、四阿屋山の前に送電線の鉄塔が立ちはだかり、絵にならない。
また、杉林の道となり、尾根に向かって登って行く。尾根に出てフラットなって明るい南面の道となる。そうすると右前下に 林道が見えてくる。林道を左に行くと福寿草園であるが、林道の向かいの斜面の自然林を急登する。上に上がると左下の林道に 駐車場があり、車が見える。ここまで車で来て四阿屋山往復するとか福寿草を見物するとかも可能のようである。 直ぐ尾根のフラット道となり、鳥居が見えてきて下りだす。また四阿屋山の前に見えた鉄塔が見えてくる。鳥居から気持ちのよい 尾根道を10分ほど歩くと鉄塔となり、さらに10ほど行くと左は展望広場・福寿草自生地・あずまや山、右あずまや山という分岐点 となる(添付略図-B)。
どうも福寿草園と福寿草自生地があるらしい。今までの分岐は福寿草園とあずまや山であった。それは無条件に あずまや山を選んで歩いてきた。今度は福寿草自生地でしかもその先はあずまやにも通じているようだ。今度は左方向に行く。 杉林の左のトラバース道を行くと道標の立つ展望広場の東屋となる。右上が福寿草自生地・あずまや山で、左下が山居(男坂)とある。 右に上がってゆく。左右の電線のバーリア囲いの中に福寿草が咲いている。じっくり写すのは帰りとして、適当に写真を写しなが ら登って行くと福寿草自生地上にいたり、ベンチがあり実に展望がよい。武甲山と連なる山並みがはるか彼方に見渡せられる。
大分暖かくなり、絶好の山歩き日和である。そこから杉林の斜面を登って行く。巻き道と階段の直登道があるが、左の巻き道を 行く。しばらく登ると一緒になり、やがて両神神社の奥社が見えてくる。奥社の左手に入ると、これからの道は岩場で危険、十分な 装備必要と書いてある看板が出てくる。左に下りながら巻いてゆくとその先に急斜面の壁がみえる。上の尾根まで登ることになると思 うがどのようにして行くのか想像がつかない。
少し行くと鎖の付いた階段上の道が上に登って行っている。雪も付いている。カメラをザックにしまって気を引き締めて 登る。兎に角、鎖につかまって登りさえすれば間違いないと、つかまりながら登る。 だんだん雪が多くなる。階段の段差のフラット部分が雪で埋まりつるつるするところもあるが鎖を頼りに強引に登る。
しかし、鎖が途切れているところがある。これはいかんと、腰を下ろして4本爪アイゼンを装着する。このアイゼンはつま先歩きには効 かない。効くように慎重に靴底が雪面にフラットになるように歩く。ジグザクとうまく道は付けられている。ようやく尾根に上がり、 つつじコースと合流する。そこから右上の四阿屋山へ登る。鎖のある急斜面であるが岩場という感じでない、しかも南面であるために雪 は無く、問題なく登りきり、無事、四阿屋山山頂に到達した。
山頂からの雪の両神山から双子山にかけての展望が実にすばらしい。写真を写しながらしばし至福の時を過ごす。15分ほどすごし 元来た道を下る。岩場で今日はじめて2人組み2パーティと会う。みんなアイゼンをしている。下りの方が危ない。急なところは、懸垂下降方式に後ろ向き になって鎖をザイル代わりにして下る。
福寿草の自生地では念願の写真に専念する。雪と福寿草の組合せを写したりしながら、福寿草園のある 山居へと男坂を下る。林道の終点である福寿草園はカメラマン、観光客が多い。南斜面の園地は春の光を一杯に受けて福寿草が黄色く キラキラと輝き、傍ではオオイヌノフグリ、ホトケノザの花も咲いて共宴している。また、周りに目を移すと紅梅、ロウバイも咲き乱れ、 この園地は一気にもう春がやってきたようだ。
そのあとセツブンソウの自生はないものかと押留コースを下る。探しながら下るが無い。探しているうちにいつの間にかコースも終わり 自動車道路に出る。右に行くと堂上のセツブンソウの保護地(添付略図-F)であるが、一旦駐車場まで戻って車で戻って来ることにする。 道の駅薬師の湯までの自動車道路はいい景色が広がっているかと期待したがさっぱりである。左にお寺の門が見えてきて、左の裏道に入るとまもなく 駐車場に着いた。まだ昼食をとっていない。車の中でおにぎりを食べ、堂上へ向かう。 柵で囲まれた堂上のセツブンソウの保護地は結構な広さである。観光客、カメラマンが多い。何せ小さい花で風景的に群生を写すが様にならない。 マクロレンズで、薄紫や黄色のしべ、ガラス細工のような透けた花びら、などのセツブンソウのマクロの世界の美しさを堪能しながら1時間ほど過ごし、 そして帰路についた。

●コースタイム
自宅4:20==道の駅・薬師の湯(P)7:40〜55--薬師堂コース入り口(A)8:14--林道8:50〜9:00--福寿草自生地・展望東屋9:24--福寿草自生地上9:30〜35--両神神社奥社9:45-- 岩場取付点9:50--(途中アイゼン装着のため小休止)--つつじコース分岐10:18--四阿屋山10:26〜40--福寿草自生地上11:13--(男坂を下る)--福寿草園 11:28--押留コース入口11:35--押留12:01--薬師の湯(P)12:35〜50==堂上セツブンソウ保護地12:56〜写真撮影〜13:50==自宅18:30

●特記事項
奥社からつつじコース分岐までの岩場は積雪期の凍結した時は厳しいです。アイゼン必携です。

●地図: 昭文社 山と高原地図「雲取山・両神山」、1/25000地形図 三峰

●略 図
あずまや山ハイキングマップ


秩父市からの武甲山



薬師堂



自然林の園地をあずまや山を垣間見ながら登る



福寿草自生地上からの展望、遠く武甲山が見える



両神神社奥社



四阿屋山山頂、左上は両神山、中央やや右は双子山