朝霧高原
早春の花を求めて東海自然歩道を歩く





朝霧高原、東海自然歩道を歩く('05-04-10歩く)
朝霧高原は139号線を何回となく通って、その広々とした風景が気に入って、歩いてみたいと思っていたが、どこから取り付いたら いいかわからなかった。たまたま、ヤマケイJOY春号に朝霧高原にキスミレ(黄色い花のスミレ)が咲くと載っていたので、もしかし たら出会えるかもしれないと思って出かけてみた。
湘南から朝霧高原にどう行くか。東名富士ICで降りて、139号線を北上す るのが普通のような気がするが、東名は御殿場ICから相当南に下がり、そして富士ICで降りてからその分北上しなければならない。 そういう理由から、御殿場ICで降りて富士五湖を廻っていったほうが近いような気がしたので、富士五湖周りとした。
御殿場あたりは桜が咲き始めて春の装いであるが、山中湖、河口湖に上がるとまだ冬の風景である。こぶしのつぼみが 白くなってきた程度である。 西湖、精進湖、本栖湖入り口を過ぎるとやがて県境の割石峠に着く。割石峠の標識はなくわかりにくいが、富士ケ嶺は左折の標識 と左に軽食の店がある。左折すると、直ぐ天徳宮へ左に入る道がある。その分岐点付近に広い駐車スペースがある。 そこに車を置いて出発する。
富士ケ嶺の標識付近に東海自然歩道の道標がありそこから入ってゆく。直ぐ丁字路になっていて 田貫湖方面へ左に行く。緩やかに下るとトイレのある広場となる。それからはほとんど杉林の道である。東海自然歩道だけあって 道は整備され、緩やかな道が続く。時々自然林にでる。そこにはやわらかい日差しを一杯に受けてそこだけが春のようにスミレが咲 いている。一般のスミレはさっぱりわからない。エイザンスミレだけは葉っぱがギザギザしているのでわかる。 また、沢筋ではコバイケイソウも初々しい芽を出し、その緑が周りの冬枯れの色の中でひときわ目をひく。
約1時間ほど歩くと、端足峠分岐となる。そこから、春の日差しをうけた明るいコナラの道を下る。 道の両側にはキクザキイチゲ、エンレイソウ、スミレが咲き乱れている。写真を写しながらのんびりと行く。 しばらく行くと杉林に入り、それを抜けると広々とした待望の朝霧高原の草原にでた。
しかしながら、まだ新緑には早く、草原はきつね色一色である。スミレでも咲いていないか足元をみながら歩くが咲いていない。 そのうち貯水池の横にでる。そのあたりは潅木が茂り、サンシュが小さな花を一杯つけ黄色く輝いている。すぐ十字路になる。 これを右に入り、山麓沿いに歩いてゆく。振り返ると竜ケ岳、雨ケ岳、毛無山の稜線が屏風のように高く迫り、囲んでいる。 丁度、浅間山の湯の平を歩いた時と同じ様な感じである。前方左手を見ると富士山も薄くであるが見えている。
潅木やコナラなどの茂る山麓沿いの道を行く。冬枯れの林に淡い黄色のサンシュが点在している。 道の陽だまりにはスミレやキケマンが咲いている。しばらく行くと涸れ沢にかかる根原の吊橋にでる。少し揺れるスリルある吊り橋である。 渡りきるとキクザキイチゲが咲いている。しばらく開けた涸れ沢沿いの道を行く。そして林の中に入るとニリンソウの群生地となる。 しかしながら惜しいことにまだつぼみは固い。もう一週間後位には見事なお花畑となるだろうと想像される。
今度は涸れ沢沿いの 山の斜面に設けられた立派な木道を快適に緩やかに下っていく。木道が終わるとやがて牧草地の野焼きしたところにでる。目の前に富士山が大きい。 そこは左に行く道もあり、洪水の時とかの東海自然歩道の迂回路になっている。焦げ臭い匂いをかぎながら右に行く。 ぐるーと廻るとやがて樹林帯に入り、T字路にぶつかり、道標にしたがって左に行く。そこは意外にもキクザキイチゲの群生地であった。 しばらく群生は続く。そのうちニリンソウもでてくる。幾分標高が低いのか、ニリンソウも少しだけであるが咲いている。
やがて右に回りこんで牧草地沿いに行くと東屋(添付地図A)が見えてくる。ここはT字路で右は東海自然歩道、左は道の駅方面である。 ここで東海自然歩道とはお別れして駅の道の方に行く。右はパラグライダーの練習場になっていてこんもりした小さな山があり富士山 の前に見えて子富士のようである。途中で昼近くになったので富士山を見ながら昼食とする。
昼食の後、12分ほど歩くと道の駅の向かいの車道に出る。ここより車を置いた割石峠へと戻る。予想したより結構な登りである。 今回のルートで一番汗を流したのは皮肉にもこの道であった。今はまだ寒いくらいなのでいいが、少し暑くなったら、照り返しなどもあり、 結構こたえそうである。
キスミレを探して歩いてみたが、今年は寒く、少し早かったようで残念であった。しかし、きっかけをつかめたのでまたいろいろ朝霧高 原を歩いてみたいと思う。

●コースタイム
自宅6:00==東名御殿場IC・東富士五湖道路・139号線==割石峠(P)8:00〜8:12--端足峠分岐9:17--貯水池10:03--根原吊橋10:32-- 迂回路分岐11:15--東屋(道の駅方面分岐)11:45--東屋近くの芝生で昼食11:52〜12:12--道の駅12:24--割石峠(P)13:02

●特記事項
車を割石峠に置いたが、歩きつかれた後に車道を登って行くのはつらい。道の駅において、最初、割石峠まで歩いたほうが 気分的には楽のように思う。
今年はいつまでも寒く桜の開花も一週間ほど遅れた。そのためニリンソウもキスミレも時期尚早であった。今回は丁度 湘南で桜が満開の時に歩いたが、桜の満開を目安に、それから一週間〜10日ほどずらして歩くといいように思う。

●地図:




朝霧高原で見かけた花

ユキササ

キクザキイチゲ

エンレイソウ

サンシユ

 

キクザキイチゲ

コバイケイソウ

スミレ

エイザンスミレ

ニリンソウ