A.山歩き/2.山紀行/・・天水山home


信越トレイル・天水山
( あまみずやま 1088m )


松之山登山口のブナ林

天水山〜三方岳を歩く ('09-10-28)
今秋も恒例の信越トレイを歩いた。今回は松之山温泉に一泊し、前日に天水山に登り、翌日は菱ケ岳に登った。自宅を3:40にでて、関越塩沢石打ICで降り、津南から松之山へ向う。 津南から松之山へは二つのルートがある。国道353号線と国道405号線である。353号線はトンネルで松之山側へ抜け、道も広く良いようであるが、 山の紅葉や風景を楽しもうと、山越えの405号線を行くことにする。
津南駅近くから、405号線は山越えしてゆく。国道なので広い道かと思っていたところ1.5車線の舗装された林道のような道であった。 さぞかし美しい風景が展開するだろうと期待していたが、それほどでもなかった。見るべきは「天水島の棚田」であった。今の時期の棚田、そんなに見栄えしないのではと思っていたが、 わざわざ水が張られており空が写りこみ輝いていた。駐車場もあり、村おこしの一つとして整備されているようであった。
松之山の町の広い道に突き当たって、左折して大巌寺高原を目指してゆく。くねくねと登って行くと、標識がでてきて、自然と大巌寺高原へと導かれる。 なだらかな谷の向こうにブナの山が連なり、谷間にはススキと棚田が点在して、ススキが朝日を浴びて輝いている。 道は谷の源流へと向かい、廻りこんで向いの丘陵へと進んでゆく。
やがて池とその奥に管理棟であろうか建物が見えてきて大巌寺高原となる。ここからブナ林の「林道野々海天水越線」を進んでゆく。 この辺はブナの黄葉真盛りで、カメラマンが所々で写真を写している。やがて林道は山伏山方面と野々海方面の分岐となる。ここが信越トレイルの最東端で、トレイルの終点・始点でもある。 2,3台ほどの駐車スペースがあり、既に二台ほど駐車していたが駐車できた。

今回は天水山の稜線を西に深坂峠まで歩いて、この林道野々海天水越線をここまで歩いて戻ってくる というコース設定である。車は深坂峠に置いてもいいが、戻りの疲れた林道歩き、幾分でも下りの方がいいと思ってここ松之山登山口の方に車を置いた。
5分ほど林道のような道を行くと、ブナ林の斜面に取り付き、大きく稲妻型に山道を登って行く。この斜面はブナの太いものもあり、それに適当な間隔で立ち見通しも良く、 気持の良いブナ林である。昨日の雨による湿った靄に尾根の上から朝日が差込んで光芒が輝き、また、褐色の落ち葉の地面にブナの影が長く描き、実に美しい。写真を写しながら幸せな気分で登って行く。
やがて、山道は尾根に達し、右へ天水山方面に行く。標高が高くなったのでブナの木々の葉はほとんど落ちているが、秋の透き通った明るい光が満ちあふれ、残り葉や落ち葉の秋の彩りがアチコチで輝いている。 その中をカサコソと落ち葉を踏んでの秋の尾根歩きは格別なものがある。一旦、鞍部に下って、少し平坦なところを行き、急登するとやがてブナの林立する広々とした山頂の天水山であった。
天水山を緩やかに降りてゆくと、冬枯れのブナの林立の間から下の鞍部から向こう斜面にかけてカエデの黄色い絨毯が見え、黄色とブナの白い木肌とのコントラストが美しい。それが天水山の次のピークまで続く。 ピークを下りだすと今度は右の斜面の遥か下にブナの木立ちの間から紅葉の帯が見えてくる。稜線は葉が落ちているが、尾根と平行して走っている下の林道付近は紅葉真盛りのようである。
白い木肌の ブナの林立の間から右眼下の紅葉を愛でながら次のピークーへと向う。右側が切れた痩せ尾根を登りきると、木立ちが途切れ、右側の展望が開ける。ここで写真を写しながら小休止する。遥か下を見ると、帰りに歩く林道が 紅葉の海に一筋の線となって派生尾根の向こうに消えて行っている。
ここからは展望もきかず、余り見るべきものもない。広い尾根をさらに二回ほどアップダウンを繰り返して行くと、ようやく三角点のある三方岳に着く。 もう、昼であるので軽く昼食をとる。この後、深坂峠へと向う。中間の小さなピークを越えると、思いがけずススキの原っぱになり、開放感に浸る。すぐまたブナ林に入ってしばらく下ると、林道に降り立ち、右に僅 かに行くと石碑の立つ深坂峠に到着した。
深坂峠の近くには大きな野々海池があり良さそうなところであるが、来年の楽しみにして、林道を松之山登山口へと向う。左眼下に紅葉の樹海を眺めながら行く。 樹海にはところどころ檜であろうか、黒木が少し連なり、良く風景写真で見る松之山独特の風景が展開している。しばらく行くと林道の右の山斜面がブナ林となり、展望箇所付近で見た紅葉が逆光に光っている。 さらに行くと、今度は林道の左側が大巌寺高原の豊かなブナ林となり、燃えるような黄色と濃い褐色の黄葉が真盛りである。そして、しばらくブナの紅葉にため息をつきながら行くと、やがて、林道分岐の松之山登山口に着き、満ち足りた山行を終えた。

( マップ・ガイド )
・「信越トレイル3 牧峠〜天水山」 NPO法人信越トレイルクラブ発行
・1/25000 地形図 電子国土ポータル「天水山付近」

(コースタイム)
自宅3:40==(東名・環八)==練馬IC5:07==塩沢石打IC7:15==信越トレイル天水山松之山登山口(P)8:45〜9:00--稜線9:35--天水山10:13〜16--展望箇所(マップの双眼鏡マーク)10:58〜11:02-- 三方岳11:51〜12:05--深坂峠12:38〜43--水場13:04--信越トレイル天水山松之山登山口(P)13:56



天水山を望む




天水山のブナの大木




ブナの林立とカエデの黄葉




白い木肌のブナ




眼下に望まれる紅葉の樹海と林道




林道から松之山方面を望む


Canon EOSkissDX / SIGMA DC 18-125 OS HSM にて撮影

( END )