A.山歩き/2.山紀行/・・八丁池から皮子平


天城・八丁池から皮子平



八丁池 

八丁池から皮子平('08-11-14 歩く)
11月の中旬になって、1000m級の山は既に紅葉が過ぎている。今年も、随分、山で紅葉を見たが、最後の紅葉の山として、紅葉の遅い伊豆の山に出かけることにする。 さて、どこにするか。ブナ林の猫越岳、三蓋山辺りを考えたが、最近、何回も行っている。昔、行った八丁池、もう記憶が薄れ掛けているので、再訪してみることにする。 紅葉の時期、八丁池口までバスが行っていると友人に聞いた。それなら、体力的に余裕が出来るので、あのヒメシャラの幼木とブナの大木の交錯する不思議な森、皮子平まで足を延ばすことにする。

バス停のある水生地下の駐車場に車を置いて、9:05(一番バス)のバスで八丁池口へ向う。約30分ほどで、トイレもある園地のような八丁池口に着く。 ヘヤーピンカーブのある広い林道のようなところを登って行く。15分ほど登ると、途中三筋山方面の道を右に分け、ブナの大木の林立にヒメシャラやモミジの混じる八丁池近道入口 に達する。初めて来たが、なかなかいい雰囲気である。
右に林道をショートカットしている八丁池近道の山道に入って、写真を写しながら 登って行く。本コースで皮子平から戸塚峠への戻りとここのところが本コースの二大急登(?)である。10分もブナとヒメシャラの道を登ると回り込んできた林道と合わさる。 そこは「野鳥の森」の看板があり、青スズ台への登り口でもある。周りはすばらしいブナの森である。昔、上り御幸歩道を天城峠に下ったことがある。 その時、このあたりを通ったはずであるが、ブナには関心なかったせいか記憶がない。
ブナに囲まれた平坦な林道を写真を写しながら八丁池へと回り込んで行く。 ブナやヒメシャラの黄葉も散ったものが多いが、所々残っているものもあり光り輝いている。 やがて、展望台入口のトイレに着き、そこから緩やかに下ると、右にブナ林の間から八丁池が見えてくる。池に雲や青空が映りこみ美しい。帰りに下る予定の下り御幸歩道入口を過ぎると、見覚えのある 八丁池に飛び出す。ほとんど葉を落とした池の周りの森が写りこんで、静かなたたずまいをみせている。
あまり時間もないので先を急ぐ。戸塚峠の方に行くのは始めてである。 入って行くなり、ブナの大木の黄葉と残りモミジが斜光に最後の輝きとばかり煌いてまばゆいばかりである。あれもこれも写すものがいっぱいである。なかなか進まない。これではいつまでたっても着かないよ、と連れにせかされる。 後ろ髪を引かれる思いで、先に進む。ほとんど平坦な道が続き歩き易い。檜や杉林とブナ林が交互に現れ、上を見るとブナの黄葉やモミジが輝いている。構図もお構いなしに写真を写しては前に進む。 そして、大分道草したので白田峠まで55分も掛かった。
この調子だとまずいと思い、白田峠からはあまり道草しないように行く。 やがて右手の樹間から万三郎岳であろうか高い尾根が見えてくる。そして、右に回り込み左側の尾根と共に山道が緩やかに上がりだすと美しいブナ林となり、さらに アセビのトンネルを抜けるとブナの高木に囲まれた戸塚峠となる。
皮子平へ左に下る。10分余下ると見覚えのある大ブナのところに至る。その付近にザックを置いて、先を散策する。 春来たときはブナ林にヒメシャラの新緑のグリーンが霧のように漂うような光景であったが、今回はヒメシャラの幼木の葉は既に散り幹の褐色の林立が光っている。
この後、戸塚峠に戻って軽い昼食を取って出発する。戻りは幾分登りのようで、さすがに足が重くなってくる。休憩を兼ねて写真を写しながら行く。また、あの八丁池の手前のブナ林で 引っかかってしまう。光が変わってまたすばらしい光景である。そして、やっと八丁池に着き、これでもう今日の紅葉鑑賞も終わりで、ただ下るだけと思いながら、下り御幸歩道を黙々と下ってゆく。
ところが、10分ほどアセビの道を下ってゆくと、ブナ林の道となる。標高が下がってきたので、ブナの黄葉は真盛りである。それに夕方になって光線がいい。斜光に輝くブナの大木の黄葉が頭上を覆い、 樹間にはスポットライトに照らされているように輝くモミジが見受けられる。斜面の上には巨木が立っている。残念ながら時間がないので、巨木を写すのはあきらめ 、先を急ぐ。
そういう光景が約40分ほど続き、本谷歩道分岐と交わると、一転して薄暗い杉や檜の荒れた道を下ってゆく。途中一度林道を横断し、さらに30分も薄暗い山道を下ると、ようやく明るい舗装された林道に降り立った。 林道を下ってゆくと、やがて旧天城トンネル分岐となり、さらに10分余行くと車を置いた水生地下に着いた。

( マップ )
・昭文社 山と高原地図「伊豆」

(コースタイム)
水生地下(P)バス停9:05==八丁池口9:33--三筋山分岐9:42--八丁池近道入口9:47 --林道9:58--青スズ台からの道合流地点10:19--八丁池10:37〜41--白田峠11:33--戸塚峠12:05--皮子平大ブナ付近散策12:16〜30--戸塚峠12:46〜53-- 白田峠13:23--八丁池14:22--(下り御幸歩道)--本谷歩道分岐(八丁池2km)15:10--林道15:14--林道(下り御幸歩道経由八丁池登山口)15:43--旧天城トンネル分岐16:05 --水生地下(P)16:18



八丁池近道入口あたり




八丁池への林道途中のブナ林



八丁池先のブナ林1




八丁池先のブナ林2




八丁池先のブナ林3




皮子平のブナとヒメシャラの林立





下り御幸歩道のブナ林 1




下り御幸歩道のブナ林 2



下り御幸歩道のブナ林 3




下り御幸歩道のブナ林 4


パナソニック LUMIX DMC-LX3 にて撮影

( END )