A.山歩き/2.山紀行/・・鶴峠から三頭山


鶴峠から三頭山
(1531m)



〜 豊潤の森を行く 〜


鶴峠から三頭山('08-10-04 歩く)
鶴峠は比較的近場なのでそんなに早出する必要がなかったが、いつもの習慣で自宅を4:30に出発し、早く着いてしまった。 そんなこともあって、朝靄がゆったりと峠に上がって来る。靄の薄いところから朝日が差している。普段は何の変哲もない登山口の雑木林は神々しいばかりの光芒である。 夢心地で光芒を浴びながら登って行く。やがて薄暗い桧の植林帯となって夢から現実へと引き戻される。約30分も辛抱して登って行くと、 豊かな自然林の尾根に到達する。
ここからは右に尾根を見ながら、自然林のトラバース道を緩やかに登って行く。ブナ、ミズナラ、などの高木の多い包み込まれるような 豊かな森である。朝の斜光が稜線から差し込み緑の中の気の早い黄葉やブナの太い幹を浮かび上がせている。また、下斜面から 立ち上がってきているブナなどの大木が、頭上を越えて遥か彼方まで伸び、輝きながら天を覆っている。
このような雰囲気のよい森が 1時間くらい向山分岐の先の丸太橋あたりまで続く。丸太橋付近からは、尾根と山道が近づいてきて、ブナなどの大木が立体的に並んで見えるきれいな園地のような窪地を廻 りこんでゆく。やがて、Y字の巻き道分岐となる。右の尾根に上がる山道脇の木に手製の三頭山のプレートがあり、それにしたがって右に上って行く。
コナラの道を過ぎるとチョとした鞍部に差し掛かり、ブナの巨木が見えてくる。このコースで出会った最も太いブナである。鞍部を登り返す尾根道にはブナの大木が 林立し、なかなか雰囲気のいいところである。鞍部から写真を写しながらブナの道を25分ほど登ると、ようやく開けたところにで、少し霞んでいるが富士山が見えて爽快な気分になる。 そして少し行くとピークらしく標石があるが、そこから10分弱ほど下りまた登り返すと先ほどより立派な標石がある。標識がないのではっきりしないが、これが1447mのピーク神楽入ノ峰だろうか。
ここよりまた下って登り返すとまた富士山の見えるピークとなる。ここまで隣のピークから約15分くらいである。さらに鞍部まで下って小さなアップダウンを繰り返して、最後の 急登を終えると三頭山の西峰に着く。三頭山は名の通りピークが三つあるが、この西峰からは富士山が見えるので、都民の森の方から登って来る人のほとんどは寄るようである。 我々はここまでとし、小休止する。先ほどまで尾根で見えた富士山はもう見えない。都民の森の駐車場は9時からとか。開門と同時に登ってきた人が到着しだした。
帰りは元来た道を戻る。富士山の見えるピークまではアップダウンもあり、少しきついが、やがてブナ林の美しい尾根道を下ってゆく。あのブナの巨木でもう一度写真を写す。 そして、巻き道と一緒になり、傾斜も緩み、遊歩道のような豊かな広葉樹の森をのんびりと下る。途中丸太橋の先で軽い昼食を取る。登る時はブナの木を見あ げながら歩いたために気が付かなかったが、山の幸クリタケを一株見つける。ありがたくいただき、豊潤の森に感謝しながら幸せな気分でしばらく下り、山歩きを終えた。

( マップ )
・昭文社 山と高原地図「奥多摩」

(コースタイム)
鶴峠(P)6:45--尾根7:16--向山分岐8:04--丸太橋8:14 --巻き道分岐8:26--ブナ巨木8:34〜42--富士山展望ポイント9:07--1447mのピーク神楽入ノ峰(?)標石9:21--富士山展望ピーク9:37--三頭山西峰9:55〜10:06 --巻き道合流11:22--丸太橋先(昼食)11:45〜53--尾根終わり12:29--鶴峠(P)12:55



光芒の森




神々しい光芒




鶴峠コースの随一のブナの巨木




延々と続くブナの道




気の早いブナ




気の早い葉っぱ



Canon kiss DN / EF-S17-85mm IS USM にて撮影


( END )