A.山歩き/2.山紀行/・・箱根三国山


箱根・三国山
姫の沢公園・十国峠など寄り道して


三国山のブナ林


湖尻峠から三国山 ('07-08-01)
五月に腰痛(坐骨神経痛)になって約3ケ月間、山にも写真撮影にもほとんどいけなかった。野山の花の咲くいい時期なので一年間棒に振ったような気分である。 ようやく完全ではないが治りかけて来たので、そろりそろり歩いてみることにした。花の咲いていそうな熱海の姫の沢公園とその上の富士山の見える十国峠に行ってみることにした。
姫の沢公園
姫の沢公園は早春からさつきの咲く頃まで新緑や花の一杯な公園であるが、今の時期どういう花が咲いているか思いつかない。階段を登って人工滝のある池に上がると、予想外にも ヤマユリが目に飛び込んできた。周囲を見回すとヤマユリがあちらこちらに咲き甘い香りを漂わせている。 それから奥に上がってゆくと、ねむの花が咲き、そのピンクが青空に映えて爽やかである。さらにさつき山の斜面には大株のたわわに花を付けたヤマユリが点在し、 薄い青空をバックに仰ぎ見られ、初夏の風情を漂わせている。一周して戻り、池の傍の四季の花暦の案内板をみると夏は「ヤマユリ」と書いてあった。姫の沢公園はヤマユリの名所でもあったようである。
十国峠
この後、熱海峠へと車を走らせる。伊豆スカイラインの熱海峠料金所箱根方面手前左に日金山 東光寺への道が登っている。それに入りしばらく行くと霊園・姫の沢公園の最高地点に達する。霊園の駐車場に車を置き、笹の原を北の方へ緩やかに登っている舗装された 遊歩道を上って行く。やがて、源実朝の歌碑のある広々とした草地の広場に出る。草地には紫色のコバギボウシが咲き、遥か彼方に、もうすっかり残雪の消えた富士山が見え、その広場の彼方の右手のすこし小高いところに円筒状の十国峠ケーブル山頂駅が、 目の錯覚であろうと思うが、ピサの斜塔のように傾いて立っている。伸びやかで爽やかないい風景である。
この後、ケーブル山頂駅まで行ってみた。足元には紫陽花が咲き、いく重のもの山並みの 彼方に、筋状のうすい雲を従えて夏の青い富士山が横たわっていた。
三国山
これでおしまいのつもりであったが、思ったより3ケ月のブランクで足は衰えていなかったので、湖尻峠に車を置いて三国山のブナの巨木を訪ねてみることにする。峠より箱根笹に囲まれ無風状態の防火帯のようなシシウドの花の咲く 暑い暑い山道を緩やかに上って行く。5分も行くと、木蔭涼しい雑木林の山道に入る。真夏の日差しのせいだろうか、それとも木々が大きくなったせいであろうか、 以前より明るい山道のような気がする。ハルゼミの鳴く中、木漏れ日や緑のシャワーを浴びながら行く。久しぶりの山、身も心もリフレッシュする。
25分ほど軽いアップダウンを繰り返して行くと、杉林の中の丸太の土止めの階段を大きく下り、 それより徐々に登りが始まる。やがて時々太い木が現れ、三国山のブナの森へと導かれる。
しばらく行くと二個のベンチのあるブナの明るい広場に到着する。 東北の明るいブナ林のドームに雰囲気が似ている。規模は小さいが、ホッとする空間である。さらに7,8分急登 すると三国山の主のブナの巨木と出会う。すらりとした東北のブナと違って、箒のように根元近くから枝を延ばしている武骨なブナである。周りには山アジサイやツチアケビを従えている。
ここら辺が三国山の核心部であるが、来たからには三国山山頂まで行かねばと、先へ進む。思っていたより結構ある。ブナが少なくなり、 おびただしい落花を伴ったヒメシャラの木が見えてくると山頂であった。見晴らしは何も効かない。しかし、木々のグリーンに包み込まれて、久しぶりの山歩きしたものにとってはすごく心の休まる ところであった。


(地図)
・ 昭文社 山と高原地図 「箱根」

(コースタイム)
姫の沢公園8:00〜8:20==十国峠9:40〜10:30==湖尻峠(P)11:15--二個のベンチのある広場12:06--巨木12:14〜23--三国山12:38〜13:00--湖尻峠(P)14:03





姫の沢公園





十国峠





ブナの巨木





[Canon EOS kiss DN/SIGMA 17-70mm DC ]