A.山歩き/2.山紀行/・・毛無山・十二ケ岳


毛無山・十二ケ岳
(1500m・1683m)

十一ケ岳と十二ケ岳の間のキレットの吊橋

毛無山・十二ケ岳('08-08-01 歩く)
8月に入ると早々に孫が押しかけてくるので、しばらく山に行けない。当分の登り納めとしてどこか登ることにする。 ガソリンが値上がりし、遠出はチョッと敬遠。比較的近くてまだ登っていない西湖の傍の十二ケ岳を選ぶ。毛無山は山頂付近がカヤトとある。 花が見られるかもしれないので毛無山経由十二ケ岳とする。

文化洞トンネルの手前の駐車場に車を置く。この暑い時、低い山はみんな敬遠し て登る人はいないようである。一台も駐車していない。トンネルの上の尾根に向って雑木林を上って行く。尾根に出ると赤松の多いところとなる。 秋にはイグチなど生えそうだ、と思いながら登ると赤いタマゴダケがところどころに生えている。帰りなら採るがそのままゆく。 いつまでも続く赤松の多い見通しの効かない山道。1時間ほど歩いてやっと雑木林のきれいな山道となる。そして、軽いアップダウンを 繰り返しながら登ると長池からの山道と合わさる。
それからさらに雑木林の広い山道を20分ほど登って行くと、カヤトが現れてくる。 カヤトをジグザクと上って行くと、眼下に入り江のくねくねした河口湖、それに西湖が見える。本来なら真正面に大きな富士山のはずであるが ガスって見えない。周りを見ると、オカトラノオ、ハクサンフウロ、カワラナデシコ、イタチササゲ、フシグロセンノウ、シモツケ、オミナエシ、 ヨツバヒヨドリ、シュロソウ、ハギなどが咲き、今年はじめて見るアサギマダラが飛んでいった。やがて山頂に着く。

地図には、十二ケ岳へのコースは赤点線コースで、鎖、吊橋、ロープなどあると記されている。岩場が多そうだ、疲れは事故のもと、ゆっくり休憩して出発する。 少し行くと一の岳の白い標識が出てくる。十二ケ岳まではピークが十二ケあるということらしい。岩の多い尾根のアップダウンを繰り返してゆく。 ピークが○○ケ岳と思うがピークが余り顕著でないところにも○○ケ岳の白い標識があり、番号が急に進んで得した気分になる。
岩場があったり、雰囲気のよい樹林があったり、花(シモツケソウ、ホツツジ、ヤマアジサイ、レンゲショウマ--花は早かった)があったり、眼下に西湖など見えたり、 なかなか変化があってすばらしいコースである。
クライマックスは十ケ岳あたりからである。シモツケソウの多い十ケ岳の岩峰下の右を巻いてゆくとヤマアジサイの群落のキレットに達し、そこから十一ケ岳へと ロープ場を経て登って行く。高度を稼いだようで、振り返ると木々の間から先ほど越えてきたピークがいくつか見える。そして、十一ケ岳のピークに達すると 一気に吊橋のある大キレットへロープ付きの岩場を下る。
ここはロープを頼りに懸垂下降式に下るのが一番早い。シモツケソウの多い二段目の 岩場を下ると、下に吊橋が見えてくる。吊橋はアルミ製のしっかりしたもので危険はない。両側の吊っているメインロープにつかまりながら渡る。 高度感、揺れも少なく、そう恐怖感はない。これでひと段落と思ったら、ここから十二ケ岳へロープや鎖の岩場を十一ケ岳を眼下に見下ろすほど登って行かねばならない。 このほうが高度感があり、恐いくらいである。おおよそ20分位登ると樹林帯に入り、やがて十二ケ岳に到着する。
雲って富士山の見えない十二ケ岳で、軽く昼食をとった後、 桑留尾方面に下る。足元の悪いかなりの急降下である。あの岩場を登ってきたんだから当然と思いながら慎重に下る。 シモツケソウが多いところである。山頂から25分ほど下った岩峰にはマツムシソウも一輪咲いていた。そしてさらに5分ほど下ると、嘘のように勾配は緩み、美しい ブナ林となった。ブナ林は雰囲気のよいレンゲショウマの森へと続く。まだ花は全体的に早かったが、咲いているのもあったので 休憩がてら写真を写す。
この後は長いモミの木林を緩やかに下ってゆく。そしてモミの木林のはずれで右にカーブして沢を渡り、また別の赤松と雑木林の尾根を下ってゆく。 すると真っ赤なタマゴダケがアチコチに生えており、急遽、キノコ狩りとなる。そして、しばらく下ると文化洞トンネルへの道が 左に分岐しいている。斜面に沿ってトンネルの方に向うトラバース道である。
ここでもタマゴダケが生えている。 きれいなのを採りながら行く。沢を渡ると、すぐ、右下へ車道に降りる道が分岐している。いずれも「通学路」とある。できるだけ車道は歩きたくないので、 真っ直ぐ行く。やがて車道に降り立つ。そこには「旧根場通学路入口」という看板があった。今歩いてきた道は昔の通学路であったのだろうか。適当に真っ直ぐ行って、湖畔の 方に右に降りていくと、西湖北側道路に出る。そして、左折して行くと、西湖キヤンプ場の前を通り、吹き抜ける涼風が気持よい文化洞トンネルに至る。

( マップ )
・昭文社 山と高原地図「富士山」

(コースタイム)
文化洞トンネル駐車場7:20--カラマツ林の平坦地8:20--長池分岐8:43--カヤト9:04--毛無山 9:22〜36--三ケ岳9:53--五ケ岳10:13--七ケ岳10:27--十ケ岳10:48--十一ケ岳11:03--吊橋11:18〜23--桑留尾分岐12:00--十二ケ岳 12:02〜16--ブナ林12:47--レンゲショウマ群生地12:56--文化洞トンネル方面分岐13:50--西湖キヤンプ場入口14:29〜34--文化洞トンネル駐車場14:43



赤いポストのある毛無山




揺り籠




なんという草だろう、美しい山道




こんなピークも




シモツケソウ咲く十二ケ岳への岩場





十二ケ岳への岩場から十一ケ岳




ブナの巨木





ブナ林を行く





レンゲショウマ咲く



Canon kiss DN / EF-S17-85mm IS USM にて撮影


( END )